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2022ニュース回顧 取材ノートから>生きがい就労支援に道

大勢の市民でにぎわった物産展。市民は農福連携についても理解を深めた=11月22日、石巻駅前にぎわい交流広場

<産業発展と相乗効果、期待>

 「障害があってもできることはたくさんある。地域の一員として産業を支えていけるということを発信していきたい」

 11月22日に石巻市防災センターであった「農福連携全国フォーラム2022in石巻」(一般社団法人日本農福連携協会主催)。事例発表で、社会福祉法人石巻祥心会障害福祉サービス事業所「くじらのしっぽ」の管理者・阿部かよ子さんは、障害者がメカブそぎ作業などに取り組んでいる活動の様子を紹介しながら、さらなる決意を語った。

 「農福連携」は、障害のある人たちが農林水産物の生産や加工に携わり、雇用を通じて自信や生きがいを創出し、農林水産業の発展にも貢献するという相乗効果を目指す。

 フォーラムには全国から福祉、行政関係者ら130人、オンラインで60人が集結。誰もがいつまでも生き生きと生きる農福連携社会を目指す方策を探った。

 出席した石巻祥心会の宍戸義光理事長は「1次産業は裾野が広く、いろいろな仕事があり可能性を感じる。就労先の理解、協力で仕事に結び付けられるようになれば…」と、今後に期待を寄せる。

 フォーラムに合わせ、石巻駅前にぎわい交流広場で「全国農福関連物産展」が2日間にわたって開かれた。石巻祥心会、夢みの里をはじめ、岩ケ崎、北海道、香川などから約20店が出店。障害者が心を込めて育てた米や野菜などを格安で販売し、市民は農福連携について理解を深めた。

 今月1日には県石巻合同庁舎で、石巻地域農福連携推進研修会(県東部地方振興事務所主催)もあった。講演した福島県授産事業振興会の農福連携総括コーディネーター渡部栄昭さんは「一つ一つのマッチングを積み上げることが重要だ」と、コーディネーターの果たす重要な役割について説明した。

 こうした背景を踏まえ、県農業振興課は農福連携の定着や発展に向けて「みやぎ農福連携推進ネットワーク」の加入を呼びかけている。関係者や団体、自治体をつなぎ、課題解決や新たなマッチングを創出するのが狙いだ。11月現在で134団体(164組織)が加入。石巻地方では12団体(14組織)を数える。

 
 農林水産業の担い手不足の解消と障害がある人の就労機会確保を図る「農福連携」。持続可能な取り組みに向けた関係者らの奮起に期待したい。(桜井泉)

   

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