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2022ニュース回顧 取材ノートから>3年ぶり石巻川開き祭り

規模を縮小し3年ぶりに復活した石巻川開き祭り。多くの市民らでにぎわった

<復活に感慨 感染対策とにぎわいの両立模索>

 3年ぶりに石巻の夏の風物詩が戻ってきた。

 8月6、7の両日に石巻市の中心市街地であった、第99回石巻川開き祭り。新型コロナウイルス対策のため規模を縮小して開催し、2日間で12万8500人が来場した。コロナ禍で売り上げ減少にあえぐ中心市街地の店主らをよく取材したこともあり、久しぶりに街がにぎわう様子は感慨深かった。

 にぎわいづくりと感染対策の両立を模索しながらの開催だった。実行委員会は多くの市民が祭りに参加できるよう、東日本大震災以降7月31日と8月1日に固定してきた日程を、8月第1土曜、日曜に変更。同じく中瀬を会場にしてきた花火大会は、安全面から北上川の石巻大橋下流に打ち上げ場所を移し、台船から6000発を打ち上げた。

 感染対策では観客を分散させるため、15校が参加した小学校鼓笛隊パレードは午前と午後の2部制で実施。混雑の緩和につながり、保護者や商店主からも好評だった。担ぎ手の距離を取るのが難しいみこし渡御は、台車に乗せて引く形に工夫。食べ歩き防止のため店頭に飲食スペースを設ける屋台もあった。運営側、参加者、来場者それぞれが対策に務め、ルールを守って祭りを楽しんだ。

 一方で、周知不足のため花火やパレードの観覧場所で飲食する人や消毒・検温のブースを素通りする人の姿もあった。誰もが安心して祭りを楽しめるよう、事前周知や注意喚起をもっと徹底すべきだった。

 祭りは来年100回目を迎える。日程は土、日曜開催を踏襲し、8月5、6日とすることが決定。震災前と同じく前夜祭を含めた3日間にする案も出ている。花火大会の会場は震災前の開北橋下流を推す声もあり、節目を飾る記念事業を含めて、年明けから議論が本格化する。

 官民でつくる100回大会記念事業検討委員会が今月まとめた祭りの実行委への提言は、コンセプトに「市民総参加」を掲げた。担い手の高齢化や地域経済の停滞など課題を乗り越え祭りを未来につないでいくためには、市民参加が欠かせない。

 制限続きの2年間を過ごし、祭りがあることの尊さを改めて感じた。市民が一体となって、活気あふれる祭りにしていければいい。(奥山優紀)

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