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2022ニュース回顧 取材ノートから>石巻地方の野球、盛り上げ

夏の宮城大会での仙台育英-ウェルネス戦。5回、マウンドに集まるウェルネスの選手たち=7月23日、石巻市民球場

<日本製紙・宮内投手が日ハム指名 ウェルネス、成長>

 第104回全国高校野球選手権大会で仙台育英高が東北勢初の優勝を遂げ、県内は喜びに沸いた。石巻地方の野球も盛り上がりを感じた1年だった。創部3年目の日本ウェルネス宮城高(東松島市)が着実な成長を見せ、社会人野球では日本製紙石巻の宮内春輝投手(26)が日本ハムからドラフト6位指名された。来季の躍進、活躍が楽しみだ。

 ウェルネス宮城高は、第69回春季東北地区高校野球県大会と第104回全国高校野球選手権宮城大会で石巻地方で唯一、8強入りした。準々決勝の対戦相手はどちらも仙台育英だった。

 夏の大会では得点機はつくったものの育英の投手陣を崩し切れず、0-4で敗退した。育英の甲子園での決勝戦の際はほとんどの部員が寮に集まり、試合展開を見つめたという。

 矢本二中出身の三浦真之介投手(2年)は「育英の活躍に刺激を受けたが『もし県大会で勝っていたら』という悔しさもある。打倒育英の気持ちは強い。次に対戦する際は必ず勝ちたい」と闘志を燃やす。

 日本製紙石巻は今季、都市対抗野球大会や社会人野球日本選手権大会への出場を目指し、出場権を得る大会五つに出場した。

 都市対抗野球2次予選東北大会では決勝戦まで進出。第1代表決定戦ではTDK(秋田市)に2-3、第2代表決定戦はJR東日本東北(仙台市)に0-4で敗れた。あと一本が出ず、本戦出場を逃した。

 日本ハムから6位指名された宮内投手は中継ぎとして活躍した。9月の第47回社会人野球日本選手権東北最終予選で見せた五者連続三振が印象に残る。指名後の記者会見では「1軍で投げ、強気の姿勢を見せたい。無名の自分を拾ってくれた石巻に、活躍することで恩を返していきたい」と誓った。

 石巻地方の中学生も力を付けてきている。石巻市河南西中の野球部は、9月の県少年新人軟式野球大会で優勝。来年3月に静岡県で開かれる全日本少年春季軟式野球大会への出場権を得た。

 主戦も務める高橋智也主将(2年)は「自分たちの良さや強みを発揮し、対戦相手の良さも学びたい。一試合一試合で気を抜かず、集中して臨む」と意気込む。

 仙台育英の優勝は石巻地方の球児、関係者に大きな刺激を与えた。それぞれに課題を整理して練習に励み、新たな高みを目指してほしい。(藤本久子)

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