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宮城・登米「豊里こども園」侵入 被告の無職男に懲役7年6月 仙台地裁判決

仙台地裁

 宮城県登米市豊里町の認定こども園「豊里こども園」侵入事件で、殺人未遂、銃刀法違反などの罪に問われた同市豊里町、無職の男(32)の裁判員裁判で、仙台地裁(大川隆男裁判長)は25日、懲役7年6月(求刑懲役8年)の判決を言い渡した。

 大川裁判長は「職員らの適切で勇気ある対応がなければ、多数の死傷者が出る大惨事になっていた可能性があった。職員、園児、保護者らの精神的衝撃も大きい。社会を震撼(しんかん)させた」と断罪した。

 争点だった責任能力について、被告が事件当時に心的外傷後ストレス障害(PTSD)や解離性障害に罹患(りかん)していたと認定する一方で「障害は動機に一定程度影響を与えたとはいえ、善悪を判断する能力、行動を制御する能力は著しく弱っておらず、完全責任能力はあった」と指摘した。

 捜査段階で被告が「2人以上を殺して死刑になりたかった」と供述し、動機が拡大自殺とみられていた点について、判決は「供述に揺れがある。思い自体はあったと認められる一方で、強い意志とは考えられない」と述べた。

 判決によると、被告は2021年11月9日午前10時40分ごろ、幼児を殺害する目的で、こども園のフェンスを乗り越えて園庭に侵入。止めに入った20代の男性職員の胸元に包丁を突き出し、殺そうとした。

 判決後、記者会見した裁判員経験者の大崎市の無職男性(69)は「いじめやひきこもり、家庭環境などの背景があった。被告の出すSOS信号に家族が気付いていれば、事件は防げたかもしれないと思った」と話した。

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