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石巻の板碑に光「墓石でなく文化財」 市博物館企画展が開幕 全国屈指の密集地

板碑の複製や拓本が展示された館内

 石巻地方に数多く現存する中世の供養塔「板碑」の特徴や歴史を解き明かす企画展「石巻の板碑-調査の記録をたどる」が28日、石巻市開成の市複合文化施設(マルホンまきあーとテラス)内の市博物館で始まった。3月26日まで。

 東日本大震災で被災し解体された旧石巻文化センターに所蔵していた板碑の拓本や複製、寺院などから借り受けた現物など計約130点を展示。特徴的な意匠の梵字(ぼんじ)や仏像を刻んだ碑面のほか、消えかけた銘文を拓本で浮かび上がらせ、板碑が再利用されてきた痕跡なども紹介している。

 材料となる井内石や雄勝石の産地である石巻は全国屈指の板碑密集地で、2000基以上が確認されている。企画展では年代や当時の領主で異なる特徴を解説。板碑の調査、研究の手法や過程なども説明する。

 震災の津波で流失したりがれきとして処分されたりした板碑もあり、市博物館は再調査を進めてきた。泉田邦彦学芸員は「身近な板碑が単なる墓石ではなく、文化財として認識されるきっかけになれば」と話した。

 2月5日には企画展に関連したシンポジウムやワークショップがある。入場料は一般500円、高校生400円、小中学生300円。連絡先は市博物館0225(98)4831。

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