若者の考える防災を発信 むすび塾、オンライン開催
河北新報社など全国の地方紙、放送局でつくる「311メディアネット」は11日、全国13カ所をオンラインで結び第109回防災ワークショップ「むすび塾」を実施した。気仙沼市の市東日本大震災遺構・伝承館から20歳の語り部が、中継で活動を報告。全国各地で防災に取り組む若者が、将来の災害に向けた備えの発信や強化などについて意見を交わした。
宮城・気仙沼、20歳の語り部が活動を報告
同ネットは河北新報が展開する「むすび塾」を共催した北海道新聞、東京新聞、神奈川新聞、福井新聞、静岡新聞、中日新聞、京都新聞、毎日放送、神戸新聞、中国新聞、高知新聞、宮崎日日新聞で構成。ワークショップには地方紙11社の地元から10~20代の11人が参加した。
語り部は、けせんぬま震災伝承ネットワークの熊谷樹さん(20)が務めた。遺構の気仙沼向洋高旧校舎の3階、4階に残された痕跡から津波の高さや威力を説明したほか、迅速な避難行動の大切さを訴えた。
「避難場所や避難ルートは複数用意し、何かあったら別の場所や経路で逃げられるようにしてほしい。家族で学校や職場など、別々の場所から避難をするといった約束事を決めておくことも大事だ」と述べた。
話し合いでは、各地域で将来想定される自然災害などの被害や課題を報告。若者や大人の防災意識を高める工夫や、高齢者らに避難を促す方法について知恵を出し合った。
助言者を務めた京大防災研究所の矢守克也教授は「自分ではなく、お孫さん、お婆ちゃんは大丈夫ですかと問いかけられたときに初めて備えのスイッチが入る人も多いのではないか。『大切な人を守る』というキーワードで取り組みを進めたり始めたりしてほしい」と呼びかけた。
(詳報を3月16日朝刊に掲載します)
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