「机上の計算」に危機感<船上の民俗学者 福島・新地(中)漁の行方>
波間が朱色に染まる。エンジンを切った小型漁船観音丸が海面をゆらゆらと漂う。かすかな潮風の音と海鳥の鳴き声が混ざり合う。
1月2日午前6時50分、福島県新地町沖。気仙沼市出身の民俗学者川島秀一さん(70)は、観音丸の親方小野春雄さん(71)と共に船上で手を合わせていた。
「今年の正月も穏やかだね」。…
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