閉じる

諦めかけた野球を再び 無期限休部中のきらやか銀選手らがチーム結成

全体練習のシートノックでバットを振る舟田監督(右)

 無期限休部中の社会人野球きらやか銀行(山形市)の選手らがクラブチームを結成した。休部により山形市周辺から硬式野球チームが消滅し、元スタッフが受け皿づくりに奔走。一度は諦めかけた野球を続ける道がつながった。選手らは「日本一を目指す」と士気を高めて練習に打ち込む。

名前は「B-net/yamagata」

 「サード、ノック行くぞ」「お願いします」。18日、山形県中山町のグラウンドに元気な声が響いた。

 1月に結成したクラブ「B-net/yamagata(ビーネット・ヤマガタ)」の初の全体練習。シートノックで内野手を兼ねる舟田友哉監督(38)がバットを振り、胸元に大きく「B」の赤い字が映える練習着を着用した選手たちが意欲的に打球を追った。

 選手20人のうち13人が、きらやか銀とグループ会社に勤務する。休部時はコーチだった舟田監督は「野球を続けたい選手たちが入ってくれた。みんな、新たな挑戦をしようという前向きな気持ちでやっている」と目を細める。

 きらやか銀は昨年9月、業績不振を理由に昨季限りでの無期限休部を発表。当時トレーナーで、選手から相談を受けた斎藤亘さん(49)が中心となってクラブを設立した。球団代表とゼネラルマネジャーを務め、経営する山形市のリラクセーション・ボディーケア店「karada癒しroom」に事務局を構える。

 斎藤さんは「地元の高校生や大学生らの受け皿にもなるチームにもなれば。企業の協賛を募り、ファンクラブを組織して応援の輪を広げたい」と意気込む。

「練習できる喜びかみしめ」

 練習の場所や時間が確保された企業チームと違い、全体練習できるのは週1、2回程度。環境は大きく変わったが、野球を取り戻した選手たちに迷いはない。

 仙台大出身でエース格の三浦泰志(34)は「キャッチボールやブルペンでの投球など、以前は当たり前だった練習ができる喜びを今はかみしめている」と喜ぶ。富士大出身の外野手伏見有史(27)も「環境を言い訳する前にできる練習を続ける」と決意する。

 初の公式戦は5月の都市対抗野球1次予選県大会。「厳しい環境でも戦える姿を見せたい」と舟田監督。斎藤さんも「クラブ日本選手権で優勝を目指したい」と逆境からの高みを目指す。

 クラブの連絡先はinfo@b-net-yamagata.com

関連リンク

関連タグ

河北新報のメルマガ登録はこちら

最新写真特集

ライブカメラ