「わずかな望み」かなわず きらやか銀野球部、突如の幕切れ 日本選手権予選で敗退

 今季限りで休部する社会人野球のきらやか銀行(山形)が8日、石巻市民球場での社会人野球日本選手権東北最終予選の1回戦でTDK(秋田)に1-3で敗れ、県内唯一の企業チームとしての活動を終えた。休部発表から6日後の一戦で、選手たちは動揺を乗り越え、輝きを放った。

TDKに敗退し、涙を流すきらやか銀行の選手たち

頭取「少しでも早く復活」

 最後の打者が遊ゴロに打ち取られ、ベンチは一瞬、静寂に包まれた。創部70年の歴史はいったん終結。選手は悔し涙に暮れた。

 優勝候補に意地を見せた。先発は3度の都市対抗出場に貢献した34歳のベテラン三浦泰志。「『いい結果を出せば、会社も考え直してくれるはず』と、わずかな望みに懸けた」との思いを右腕に込め、5回1失点の好投を見せた。打線は二回、新井諒の右前適時打で先制。行員ら約200人の応援団の歓声が響いた。

 1-1の六回、無死二塁のピンチで継投した主戦の小島康明主将が犠飛とソロ本塁打で勝ち越しを許す。打線は相手を上回る6安打を放つも追加点を奪えなかった。

 本業の業績不振を理由に2日、川越浩司頭取から直接、休部が告げられた。動揺を隠せない選手たちに、村上真監督は「下を向く者はすぐ退いてくれ」と厳しい言葉で発奮を促した。すぐ自主練習に取り組むなど、目の色が変わった。

 新井は「会社と家族への感謝の気持ちを胸に戦い抜くと決めた」と振り返る。村上監督も「厳しいメンタルに打ち勝って試合に入ってくれた」とたたえた。

 今後は、社業専念か移籍して現役を続けるかの選択が待つ。「どこに行っても『きらやか』の名を背負い続ける」と小島主将。スタンドで応援した川越頭取は「少しでも早く復活できるよう、行員一丸で(業績回復に)向かいたい」と誓った。

六回2死、TDK・斎田(手前)にソロ本塁打を浴びて1―3と差を広げられ、きらやか銀行の主戦小島がマウンドで肩を落とす
TDKに敗退してチームの活動が終結し、涙を流すきらやか銀行の選手たち
試合終了後、スタンドの応援団へのあいさつで野球部の復活を誓う川越頭取
初戦敗退で休部が決まり、球場の脇で仲間と最後の一本締めをする小島(左端)

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