空き家防止へ「死因贈与」 巻組が制度活用、死後の放置防ぐ 石巻
空き家を生かしたシェアハウス事業などを展開する石巻市の巻組は、財産相続に関して生前から契約を交わす「死因贈与」を活用した仕組みを導入した。所有者の死後に放置される空き家の発生を未然に防ぎ、不動産の有効活用につなげる。
巻組と所有者が不動産の死因贈与や賃貸借の契約を結び、所有者の死後、所有権が同社に移る。巻組は所有者の居住中から雑草除去などを担い、老人ホームに入居するなどして長期不在になった期間は不動産を運用し、維持管理する。
生活形跡が残ったままの住宅は、相続した遺族らが処分に困って放置してしまうケースも多い。所有者の生前に契約を済ませることで、放置されて住宅が劣化し、資産価値が低下することを防ぐ。
総務省の2018年住宅・土地統計調査によると、全国の空き家は約850万戸に上る。野村総合研究所の15年の推計では、33年には全国の空き家は約2000万戸を超えるとされる。
巻組は空き家情報を紹介するポータルサイトの運用も始めた。相談が持ち込まれたもののシェアハウスなどへの活用が難しい物件などを掲載し、空き家を探す第三者につなげる。
事業の説明会が1日、同市泉町1丁目の巻組が運用する民泊施設であった。渡辺享子代表は「相続に困った空き家をいかに活用するかにフォーカスした仕組み。地方の課題解決につなげていければと期待している」と述べた。
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