タイトルに導かれるようにその本を手に取った。作家の池波正太郎さん(1923~90年)のエッセー集『一升桝の度量』。冒頭に収録された『一升ますには一升しか入らぬ』では、日本人の「収支」感覚の鈍さを憂う。
池波さんが「一升ます」に例えたのは小さな島国の日本。戦後、経済成長を目指して広大な米国で発達した…