復興のペダル 福島から!コース拡大「来て、見て、知って」
14日開幕した「ツール・ド・東北2019」(河北新報社、ヤフー主催)の視察ライドでは、大会の「広報大使」を務めるモデルの道端カレンさんらが初めて福島県沿岸部と宮城県南部に足を延ばし、仙台市までの道のりを走った。地元住民は「福島の今を見てもらえた」と歓迎し、今後のコース拡大に期待を寄せた。
道端さんら沿岸部快走
南相馬市をスタートするコース(90キロ)は、「ツール・ド・東北 フレンズ」の道端さんのほか、プロのロードレーサーら関係者11人が参加。海岸線に沿って東日本大震災の津波が浸水したエリアを北上した。
太陽光発電など再生可能エネルギーの供給拠点や、復興が進む圃場整備の現場などを自転車で駆け抜けた。海風を受けて太平洋と松川浦に挟まれた美しい道路を走り、昼頃に宮城県境を越えて山元町に入った。
津波で流失した社殿を再建した南相馬市鹿島区の山田神社では、宮司の森幸彦さん(61)が壊滅した集落の状況などについて説明。「多くの人が福島に来て、見て、知って、地元の安全な食材を食べて、被災地の今を肌で感じてもらいたい」と話した。
参加者は、津波で甚大な被害を受けた相馬市磯部地区に昨年オープンした「絆カフェいそべ」にも立ち寄った。運営する電気設備工事会社社長の菅野一徳さん(68)は「震災の記憶はだんだん薄らいでいくので、全国からライダーが福島を訪れてくれたら地域が盛り上がる」と願う。
一行は亘理町の「わたり温泉 鳥の海」に到着し、名取市へ出発。福島を走り終えた道端さんは「広がる更地を見渡し、津波被害の大きさに改めて驚いた。一方で松川浦の美しい景色も楽しめた。やっぱり実際に見てもらうのが大事だ」と視察の手応えを語った。
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