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秋季高校野球宮城県大会 ベスト8出そろう 準々決勝は20日

 第76回秋季東北地区高校野球県大会は18日、仙台市民球場と大崎市の鹿島台中央野球場で2回戦計4試合があり、仙台育英、古川学園、仙台三、仙台城南が勝ち、8強が出そろった。

 仙台育英は東北に5-2で打ち勝った。古川学園は名取北に10-3で七回コールド勝ち。仙台三はウェルネスに3-2で競り勝った。仙台城南は角田との投手戦を2-1で制した。

 19日は試合がなく、20日に仙台市民、石巻市民の両球場で準々決勝4試合が行われる。

仙台育英逃げ切る

仙台育英―東北 3回裏仙台育英1死一、二塁、湯浅が左越えに3点本塁打を放つ

 ▽2回戦(仙台市民)
東  北 000000110-2
仙台育英 02300000×-5

 【評】仙台育英が逃げ切った。二回に高田の中前適時打などで2点先取。三回に湯浅の左越え3点本塁打でリードを広げた。先発武藤は6回1/3を3安打1失点。東北は七、八回に1点ずつ返したが、失策が絡んだ序盤の失点が重かった。

仙台育英―東北 3回裏仙台育英1死一、二塁、湯浅(右端)が左越え3点本塁打を放ち、一走中岡(左端)と二走浜田と喜び合う=仙台市民

新主将湯浅、4番の一発

 仙台育英の新主将、湯浅が公式戦初アーチで勝利を引き寄せた。2-0の三回1死一、二塁で打席に入り、「狙いは外野の間を抜くツーベース」。真ん中低めの変化球を捉えた打球はぐんぐん伸び、左翼席へ飛び込んだ。「思った以上に打球が伸びて驚いた」と振り返る。

 4番の一発で打線は勢いづくと思われたが、以降は無得点。湯浅は「チャンス以外の場面で突破口を開くバッティングができなかった。チームもまだ未熟で、5点入って安心してしまった部分もある」と反省を忘れない。

 甲子園準優勝から約1カ月がたち、メンバー構成はがらりと変わった。春夏の甲子園でも主力として活躍した湯浅は「どうしても前チームに比べると力が落ちる。しっかりみんなで肩を組んで頑張らないといけない」。選手同士で決めた今年のスローガンは「ONE TEAM」。団結力で新チームでの初優勝を狙う。(島形桜)

仙台育英―東北 2回裏仙台育英1死三塁、高田が中前適時打を放ち、2-0とする=仙台市民
仙台育英―東北 2回裏仙台育英1死一、二塁、2点をリードされた東北の先発進藤(右から2人目)に声をかけるためマウンドに集まる東北ナイン=仙台市民

 東北・畠山主将(来春の選抜大会出場は絶望的)「やることをやらないと格上相手に歯が立たないと実感した。速球対策もしていたが対応しきれなかった。冬の間はバットを振る力を付け、春に後れを取らないような練習をする。自分たちの色を出し、隙のない全員野球を目指したい」

仙台城南、接戦制す

角田―仙台城南 角田打線を1点に抑えた仙台城南の小塚

 ▽2回戦(仙台市民)
角  田 000000100-1
仙台城南 00010010×-2

 【評】仙台城南が投手戦を制した。エース小塚は3安打1失点完投。打線は5安打ながら、四回に植野の左越え二塁打で先制し、1-1の七回2死二塁で佐藤が二塁打を放って勝ち越した。角田は主戦佐藤太が2失点完投と好投も、打線が援護できなかった。

エース小塚、圧巻の12K完投

 仙台城南のエース小塚は、圧巻の投球でチームを準々決勝進出へ導いた。3安打1失点で9回を投げ抜き、「いいピッチングができた」と納得の表情を浮かべた。

 「いつもよりスライダーの切れが出ていて、真っすぐも伸びていた」。二、三回の6者連続を含め、計12三振を奪った。地区予選決勝の前日、角監督からの助言で横手投げに転向。すぐに感覚をつかみ、投げるごとに調子を上げた。「肘を下げたことで変化球も投げやすくなった」と好調の理由を語った。

 仙台育英と戦った今夏の宮城大会決勝は2年生ながら先発を任され、新チームでは大黒柱を担う。準々決勝に向け「自分がどこまで抑えられるかにかかっている。チームを引っ張るイメージで臨みたい」と話した。

古川学園、着々加点

 ▽2回戦(鹿島台中央)
名取北  0002010-3
古川学園 1021105x-10
(七回コールドゲーム)

 【評】古川学園がコールド勝ち。一回に三塁打を放った先頭山石が捕逸で生還して先制。三回は渡辺、青沼の連続適時打で2点を挙げ、その後も加点した。先発桜井は5回2失点。名取北は3投手が踏ん張れなかった。

1年桜井、5回2失点の好投

 古川学園は1年の左腕桜井が先発し、5回2失点と試合をつくった。「完投したかった気持ちもあるが、チームに貢献できて良かった」とはにかんだ。

 120キロ台前半の直球とスライダーなどの変化球を駆使し、1巡目は無安打で抑えた。「先頭打者にカウントを悪くして安打を許した」という四回は2点を失ったものの、五回は三者凡退と崩れなかった。

 4人の投手を擁する古川学園で存在感を示し、山崎監督も「頼もしい限り」と目を細める。桜井は「先発だったら試合をつくり、中継ぎだったらピンチの場面でも自分のリズムで投げたい」と抱負を語った。

仙台三が競り勝つ

 ▽2回戦(鹿島台中央)
仙台三   020000100-3
ウェルネス 010100000-2

 【評】仙台三が競り勝った。2-2の七回2死一、二塁から佐藤朝の内野安打で1点を勝ち越した。投げてはエース石川が9安打2失点で完投した。ウェルネスは四回に追い付き、五~八回も得点圏に走者を進めたが、あと一本が出なかった。

佐藤讃、足技で決勝点呼び込む

 仙台三は5番佐藤讃の足技で決勝点を挙げた。2-2の七回1死から四球で出塁。すかさず二盗を決め、2死一、二塁から佐藤朝の遊撃内野安打で一気に生還した。

 「塁に出るのが大事と四球を選び、二盗はモーションを盗めた」。決勝点の場面は「横目に見て『行ける』と攻めた走塁ができた。三塁コーチやベンチの声も後押しした」と言い、本塁への気迫のヘッドスライディングで終盤の流れも引き寄せた。

 「今年は強打ではなく、全員でつなぐチーム。三高らしいプレーができた」と満足そう。次の仙台一戦に向け、「変に緊張せず、いつもやっていることを信じ、先手を取りたい」と意気込みを口にした。

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