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仙台市の教諭ら5人がスズムシの教材動画制作、全国コンクールで最高賞受賞

 仙台市立小学校の教諭ら5人がスズムシを題材に制作した児童向け映像教材が、本年度の全国自作視聴覚教材コンクール小学校部門で最高賞の文部科学大臣賞を受賞した。スズムシは藩制時代から親しまれ、1971年に市民投票で選ばれた「市の虫」。教諭たちは「教材を活用し、地域への理解を深めてほしい」と願う。

スズムシの展示に合わせて上映中の映像教材を眺める庄司さん(右)と佐藤さん=仙台市青葉区の市役所上杉分庁舎

「市の虫に興味をもって」

 映像教材は11分間、スズムシの生態や飼い方を分かりやすく説明。藩制時代にJR仙台駅東側に広がる宮城野原で仙台藩の姫君が鳴き声をめでた歴史の紹介や、保存・普及に取り組む住民グループ「すずむしの里づくり実行委員会」へのインタビューも盛り込んだ。

 太白区中央市民センター社会教育主事の庄司祐太さん(44)=昨年度まで上愛子小教諭=や八幡小教諭の佐藤圭さん(42)らは市の虫を知る市民が少なく、スズムシが自生する環境も減っていることから、教材のテーマに設定した。昨年7月~今年1月、撮影や編集の作業を重ねた。

 庄司さんは2016年度に作並こけし(青葉区)の歴史や特徴を学べる作品で最高賞を受賞。22年度は東日本大震災の教訓に焦点を当て、優秀賞に選ばれた。「子どもにとって分かりやすく、先生も活用しやすいように工夫した」と話す。

 佐藤さんは「虫が好きな子どもは多い。きれいな音色を聴けば、興味を持って学ぼうとするのではないか」と意義を説く。

 映像教材は29日までの平日、青葉区の市役所上杉分庁舎で実物のスズムシなどと一緒に紹介されている。本年度中に、せんだいメディアテーク(同区)のホームページで視聴できるようになる。

 コンクールは日本視聴覚教育協会(東京)の主催。本年度は小中高校、社会教育の4部門に計61作品の応募があった。表彰式は29日に東京で開かれる。

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