(908)白玉の出て縁側に座を移す/永瀬十悟(1953年~)
白玉は夏の定番の甘味。冷やして食べると、つるんとした食感がたまらない。作者は客を迎えている側なのか、お客として訪問している側なのかは分からないが、「出て」と他人事(ひとごと)のように言っているからには2人で仲良く白玉パーティーをしたわけではあるまい。長時間、2人はお話に夢中。白玉が出たので、気分を…
関連リンク
- ・(907)今生に白眉いただく涼しさよ/大石悦子(1938~2023年)
- ・(906)老鶯やはなればなれにゐる夫婦/石寒太(1943年~)
- ・(905)蟻が蟻銜(くは)へて急ぐ雨催ひ/山田桂(1947年~)
- ・(904)ひだる神憑(つ)く前に喰(く)ふ一夜鮨(すし)/堀本裕樹(1974年~)
- ・(903)気落ちとも自己嫌悪とも蛇苺/江中真弓(1941年~)
「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。