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山形・上山に農福連携ワイナリーがオープン 障害者就労支援事業所が設立

グラスワインも楽しめる交流スペース

 社会福祉法人友愛会(山形市)が運営する就労支援の多機能事業所「ふぁーすと・すてっぷ」(山形県上山市)が、上山市内にワイナリー「Voyage de YUUAI(ヴォヤージ ドゥ ユウアイ)」を設立した。就労継続支援B型事業の一環で、6年前から障害者らによるワイン用ブドウ栽培を行っており、農福連携で製品化までを担う環境が整った。同市内のワイナリーは5カ所目。(山形総局・奥島ひかる)

利用者の工賃上昇に

 ワイナリーは木造平屋の延べ床面積250平方メートルで、250~2000リットルのタンクやたる計14本を備える。ボトルワインの販売やグラスワインも提供する交流スペースがあり、窓越しに醸造所を見学することもできる。職員が醸造に当たり、利用者はボトルの洗浄やラベル貼りなどに携わる。

 ワイナリーの創業で、6次化による付加価値の向上や、醸造委託費の削減による利用者の工賃上昇につなげたい考えだ。屋外の作業だけでなく室内の作業も増え、利用者にとっての選択肢も広がる。

 6日に開所式があり、友愛会の荒井与志久理事長は「障害者や高齢者、子どもたちが関われる地域の中のワイナリーでありたい」とあいさつした。今年は主力のナイアガラやデラウェアなどのブドウ約5トンで、5000本を醸造予定だ。

 事業所は農福連携に取り組もうと、開所した2018年から市内の農家が手放したワイン用ブドウ園地約1ヘクタールを引き受けて栽培してきた。醸造は県内のワイナリーに委託していた。

 施設整備には市産ブドウの使用などを条件に、市がワイナリー創業を支援する補助金1000万円を活用した。5年後までに年間1万本、販売額1800万円を目指す。

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