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開設から5年、保護ネコ殺処分ゼロだったけどもう限界「命のバトンつないで」山形の施設が9月に講習会開催

 山形市が、増え過ぎた保護ネコの飼い主を探している。収容する市動物愛護センター(山形市船町)には、けがや病気の治療を終えた定数ぎりぎりの40匹が引き取り手を待つ状態。担当者は「命のバトンをつないでほしい」と協力を求める。

治療を終え、譲渡を待つ保護ネコ。飼育スペースが足りなくなっている

 センターは2019年4月に開設された。通報を受け、路上や公園などで動けなくなったネコを保護して獣医師が治療し、譲渡希望者と暮らせるまで世話をしている。開設から5年半、殺処分は行っていない。

 市によると、現在の収容数は開設以来最多で、通常の30匹前後を大きく上回る。本年度は8月末時点の譲渡数が20匹と前年度同期より半減し、引き取り手が少ない成長したネコが多く残っている。ネコの飼育室が埋まったため、イヌの飼育室など別の部屋も使ってスペースを確保している。

 佐竹優主幹は「これ以上増えると廊下などにもケージを置く必要があり、職員の目が届かなくなるなど飼育環境が悪化しかねない」と窮状を訴える。

 希望者はセンターで譲渡前講習会を受ければ山形県内外を問わず誰でも無料で引き取ることができ、今月は12、23日に開催される。佐竹主幹は「治療してつなぎ留めた命を新しい飼い主にバトンタッチするという取り組みを多くの方に支えてほしい」と呼びかける。

 詳細は市のホームページに記載している。連絡先は同センター023(681)1210。

飼育スペースが足りず、別用途の部屋に置いたケージで飼い主を待つネコもいる
センターに数多く掲示された譲渡を待つ保護ネコの写真やデータを記した紙

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