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レスキューボートを水難救助に役立てて 宮城・大崎の朝日海洋開発が地元消防に寄贈 社長夫妻は震災時に津波で漂流した経験

目録のオールを手にする安倍さん(左から5人目)と伊藤市長(同6人目)

 近年多発する大雨災害や水難の救助に役立ててもらおうと、水中調査・土木工事を手がける朝日海洋開発(大崎市鹿島台)は、大崎地域広域行政事務組合消防本部に消防レスキューボート1艇を寄贈した。

 安倍淳社長(65)と妻の志摩子専務(62)は、東松島市野蒜地区にあった会社で東日本大震災の津波に遭い、漂流した経験を持つ。志摩子さんの故郷鹿島台に会社を移し、各地で水難事故防止の活動に取り組む中で、鹿島台をはじめ水害が相次ぐ大崎地域へのボート寄贈に至った。

 ボートは全長4メートル、幅1・75メートルで最大6人乗り。軽量で運搬しやすく、船外機のほかオールでも操舵(そうだ)できる。

 大崎市の古川消防署を訪れ、組合管理者の伊藤康志市長に目録のオールを手渡した安倍社長は、指導に取り組む着衣泳などによる自助、地域による共助に触れた上で「公助には有効な資機材が必要。少しでも貢献したい」と話した。

 伊藤市長は「水害が頻発化、甚大化し、対策の強化に力を入れる中で大変ありがたい。最大限活用させていただく」と感謝した。寄贈されたボートは鳴子消防署に更新配備される。寄贈式は9月25日にあった。

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