宮城・気仙沼港カツオ水揚げ 28年連続日本一か シーズン終盤も好漁続く
宮城県の気仙沼港に今季水揚げされた生鮮カツオの数量は、10月末までに一本釣りと巻き網を合わせて3万511トンに達し、28年連続の水揚げ日本一がほぼ確定した。漁業情報サービスセンター(東京)によると、2位の勝浦港(千葉県)は約5150トン。気仙沼が6倍の水揚げで引き離しており、トップの座は揺らがないとみられる。
水揚げ額は、東日本大震災以降で最高だった2023年(約84億円)を既に上回る92億円超となった。巻き網船が漁を切り上げるなどシーズンは終盤に入っているが、三陸沖や青森県八戸沖で漁獲された秋の味覚「戻りガツオ」の水揚げは今も続いている。
1日は一本釣り船11隻が約135トンを水揚げ。八戸沖東で漁獲した約16トンを水揚げした宮崎県船籍の第3神徳丸(119トン)の近藤仁志漁労長(71)は「広い範囲に群れがあり、身質もいい」と声を弾ませた。今季は例年より長く漁を続けられそうだという。今季の水揚げ量も、現段階で昨季(2万2765トン)を約7700トン上回った。水揚げ量が3万トンを超えるのは21年以来となる。
カツオの今季の初水揚げは5月21日。6月中旬から東北沿岸を北上した暖流が分離して八戸沖に広がり、戻りガツオに匹敵するほど脂が乗った魚体が漁獲された。好漁場が北寄りに形成され、8月2日には1日当たりの水揚げ量で震災以降最多の1289トンを記録した。
気仙沼漁協によると、今季の平均価格は10月末時点で1キロ当たり302円。21年の平均価格はコロナ禍の影響もあり、197円だった。今季は身質が良く、外食需要も高まったため、数量の割に相場が安定したという。
臼井靖参事は「今季は脂の乗ったカツオが話題を呼び、消費量アップにつながった。来年も豊漁が続くことを祈りたい」と話した。
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