(1044)水鳥やむかふの岸へつうい〳〵/広瀬惟然(1648?~1711年)
特に解説は要らない句だ。冬の水辺を、水鳥が「つういつうい」と滑るように泳いでいる。ただそれだけのこと。作者は芭蕉の弟子で、作為を嫌うという師の教えを擬音や口語調の表現で実践しようとした。芭蕉関連の史…
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「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。