カラダ喜ぶ【特集】ヘルシーランチ

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　オーガニック、ビーガン、化学調味料不使用…。ヘルシーでおいしい食べ物は、誰にとってもうれしいもの。そんな、体も喜ぶ食べ物を提供するお店が増えている。こだわりのおいしい世界をのぞいてみた。

■旬の味引き出す絶品玄米　～あんだんち食堂「寝かせ玄米®｣選べるせいろ御前（お魚） 1400円～

　「あなたの家」を指す仙台の方言を店名に冠するレストランは、介護施設や保育園が併設する複合施設の一角にある。

　自慢は、県産特別栽培米「ひとめぼれ」の玄米と雑穀を特殊な圧力釜で炊き、丸1日以上保温・熟成させた「寝かせ玄米®」。もっちりした食感と、優しいうまみが特長だ。

　「『寝かせ玄米®』選べるせいろ御前（お魚）」（１日５食限定）は、脂が乗ったタラが置かれたせいろの中に、カボチャやパプリカ、エノキタケ、卵などが彩り豊かに並ぶ。そこに、塩こうじを使った小鉢２品、漬物、汁物などが付く。どれも旬の国産にこだわり、調味料も無添加を徹底する。

　店長の後藤美知さんは「もっちり甘みのある玄米と、旬の食材を使った料理をぜひ食べてほしい」と呼びかける。

■ヨガが生んだビーガン・バーガー　～ORGAN　ベジバーガー 850円～

　秋保に近い観光農業施設のそばにある黒いコンテナハウス。ビーガン（完全菜食主義者）対応の軽食・スイーツのテイクアウト専門店だ。

　土・日曜、祝日の営業日には、栄養豊富な「スペルト小麦」をはじめ国産の小麦粉を使ったマフィンやタルト、クッキーのほか、小麦自体不使用のスイーツが数十種類、ショーケースに並ぶ。ハンバーガーやカレー、スムージーも含め、肉や魚、卵、乳製品、白砂糖や蜂蜜も使わない。

　ヨガインストラクターでもあるマネジャーの早﨑陽子さんは「研究のため訪れた米国で、色鮮やかなビーガン料理とそれを楽しむ文化に衝撃を受けたことが開店のきっかけになった」と話す。

　開店から６年。隣県からの常連客もでき、午前中で売り切れる商品も多い。

■こだわりの無化調ラーメン　～麺匠ぼんてん　生姜らーめん・塩 1000円～

　世界的なレストランガイドブックに掲載されたこともあるお店は、体に優しい一杯にこだわる。

　店主の沖田朋佳さんは2010年の開業以来、化学調味料を使わない「無化調」を貫く。

　スープは、強いうまみを生む種鶏をメインに、豚足や豚背ガラ、昆布、２種類のかつお節をことこと６時間炊き上げて作る。「かえし」は、非加熱の生醬油に昆布を漬け込むことで、醬油の酵母菌による発酵を促し深みのあるうまみを与える。どの過程でも、素材が持つ本来の味をじっくり引き出していく。

　太さが目を引く麺には北海道や宮城など国産の小麦粉２種類を使用。ゆでる直前、手でもむことで香り高くもちもち食感の縮れ麺にする。さらにさらに…体に優しいこだわりが詰まった逸品だ。

■無農薬栽培 自家製手打ちそば　～農民そばや 芭蕉庵　全そばセット 1460円～

　そばの無農薬栽培から提供までの全てを手掛ける。栽培は七ケ宿町内の計20㌶のソバ畑で行う。秋に収穫したソバの実は、脱皮した後に石臼で製粉。それを数日以内に手打ちして店で出す。

　今の新そばの時季は、コシともちもちの食感、香りが最も楽しめる。１月になると、町内の雪室で熟成させ甘みを増した「雪室そば」が味わえようになる。

　そばつゆは、たっぷりの高知県産のかつお節から取った風味豊かなだし汁に、化学調味料不使用の醬油やみりんで作ったかえしを合わせて作る。付け合わせの小鉢や薬味も、地元産食材と自家製を貫く。

　店長の山田岳彦さんは「採算的に厳しくても、遠くから来てくれるお客さんにうそのない本物を提供したい」とこだわりを話す。

■カレー 混ぜるほどおいしく　～南國堂　ベジ定食・M 1730円～

　小麦粉や添加物を使用せず、地元の旬の食材にこだわった南インド料理を求めて、ベジタリアン（菜食主義者）やビーガン（完全菜食主義者）が訪れる。

　人気の野菜系カレーを含め、味付けはどれも抑えめだ。しかし、複数のカレーやスープをライスと混ぜ合わせていくと、どんどん味の深みが増してくる。

　野菜やコメは、インド思想に従い「土地のモノ」にこだわる。油や塩、水も体に優しいことが使用する判断基準となる。

　店主の齊藤信さんは、ベジタリアンの生活を実践したり、国内外でビーガン料理を学び、味を作ってきた。齊藤さんは自ら作る料理を「食べた人が１番調子のいい時に近づくような食べ物。何日か食べると自身の変化に気付くはず」と説明する。

■体に優しいスイーツ追及　～ミロク八幡町店　キャロブアーモンドチョコ風フラップクッキー 529円～

　添加物不使用と無農薬にこだわった焼き菓子作りを徹底する。材料には、乳製品や卵、白砂糖は使わず、身体に優しいものを厳選する。

　店内に並ぶ商品はどれも、有機栽培の小麦や米粉、低糖質シロップを使ったり、小麦や砂糖が不使用だったりといった特長を持つ。さらに、形や色合いも優しく温かみがある。

　ざくざく食感と香ばしさが人気の「キャロブアーモンドチョコ風フラップクッキー」は、カフェインレスのキャロブチップのチョコ風味が楽しい。北海道産の有機小麦を使った「お豆腐ドーナッツ」はもっちり食感が子どもにも好評だ。

　スタッフの松野さんは「『ほっとする味』と言われます。体のことを考えて作る当店ならではのぬくもりを感じていただけているのだと思います」と話す。

（河北ウイークリーせんだい 2024年11月28日号掲載）