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<森山あすかのふらり酔ってこ>笑顔あふれる「ホーム」 田中トリオ

田中トリオ(仙台市泉区泉中央)

「お店のお薦めは?」の問いに「人柄です」と笑顔で答える北村店長(右から2人目)。丁寧な接客が光るアルバイトスタッフとの会話が楽しい

 田中トリオ(仙台市泉区泉中央)

 今年4月までオーストラリアに住んでいた。バーのカクテルは1杯2000円前後で、夜8時には閉店してしまう。一方、朝は5時からカフェが開店。庭で「ボクシング」する野生のカンガルーに囲まれながら、朝型生活を送っていた。 

 父がサッカーJ2仙台の監督に就任した縁で、一時帰国した時に初めて仙台に来た。夜8時からでもお酒を楽しめるし、日本酒や海鮮、地元の名物が安くておいしい。大好きな横丁もたくさん。仙台が大好きになった。 

 その頃、出合ったのがユアテックスタジアム仙台から近い「田中トリオ」。親しみやすい店員さんは、昔からの知り合いのようで、危うく「ヤッホー! 久しぶりに帰って来たよ!」と言ってしまいそうだった。いつも楽しく、優しく、幸せな気分にさせてくれる。

取材日の「本日の推し」だった「戻り鰹たたきポン酢」(写真手前・880円)、「真鱈(まだら)の白子(ポン酢)」(同右奥・1300円、撮影のため小分けに)、「おでんの温ポテトサラダ」(同左奥・680円)

 必ず頼むのは「おでんの温ポテトサラダ」。おでんのだしが染み染みのジャガイモ、卵とメンマを使う。クリーミーで濃厚な味わいは、付け合わせのバゲットとの相性◎。 

 この日は「戻り鰹(かつお)たたきポン酢」も注文。店長の北村研さんが、さばいたばかりの鰹を勢いよく上がる炎であぶり、炭の香りをつける。目でも香りでも楽しませてくれるエンターテイナーだ。 

鰹は炭火で表面を焼き、立ち上る炎で炭の香りをつける。通年で提供しているおでんも並ぶ

 そして日本酒。すっきり飲みやすい味わいが大好きな「綿屋」をいただく。以前、母と来店した際に飲んでみたい日本酒の話をしていると、店員さんの「あ! ありますよ」が3回くらい続いたことがあった。好みの日本酒を出してくれるドラえもんみたい。 

 日本酒を飲むのは正月だけだった私に薦めてくれた「あたごのまつ」をきっかけに、どっぷり日本酒にはまった。まさかの唎酒(ききざけ)師の資格まで取得した。 

 旬の食材を使った料理と日本酒を五感で楽しめて、1人でも、家族とでも立ち寄りやすく、幸せになれる場所。ホーム戦観戦後、勝利の美酒と最高の料理をまた味わいに行くぞ!

店名の「トリオ」は系列店の3店舗目であることに由来。「ベガサポ」も多く訪れるという

仙台市泉区泉中央4-23-10 101
営/17:00~24:00
  ※日曜は15:00~22:00
休/月曜、12月30日(月)・31日(火)、2025年1月1日(祝)
TEL 090-4040-1023

【ふらり酔ってこ】
 今回の執筆は芸人YouTuberの森山あすかさん。YouTube「あすPぱんちくりんチャンネル」で仙台の居酒屋やイベントなどを紹介しています。父親はサッカーJ2仙台の森山佳郎監督。

写真/田附 絢也

(河北ウイークリーせんだい2024年12月12日号掲載)

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