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眠りのお悩み解決【特集】春はぐっすり

 3月18日(火)は「春の睡眠の日」。うららかな春の日差しで日ごとに暖かさが増し、眠るのが気持ちいい季節でもある。その一方、異動など環境の変化により睡眠が影響を受けやすい時季でもある。医師や料理研究家、香りのプロに、ぐっすり眠るためのアドバイスを聞いた。

※本特集は、新しい休み方について考える河北新報社営業局の広告企画「もっと!ご自愛プロジェクト」に連動して制作しました。同企画のX(旧Twitter)でも最新情報を発信中です。

■医師が教える睡眠のコツ

 これまで数多くの睡眠に関する悩みに耳を傾けてきた仙台内科睡眠クリニックの田中俊彦医師は、春は異動など環境の変化に伴うストレスで「眠れない季節」と強調する。その上で、成人の4、5人に1人は不眠の悩みを抱えており、ぐっすり眠るためには、光、温度、食事が鍵になると教えてくれた。

〇光 ~強さと色温度が重要~

 起床時に強い光を浴びて、精神を安定させる神経伝達物質「セロトニン」を体内でしっかり生成することが大切です。セロトニンは夜になると、睡眠に誘導する「メラトニン」に徐々に変化するため、次第に体温が下がり眠気をもたらすことになります。

 セロトニンを生成するには3000ルクス以上の光が必要になりますが、屋内だと明るいと思っても300ルクス程度しかないことが多いので注意が必要です。屋外なら曇りでも1万ルクス、快晴なら10万ルクスもあります。

 寒色系/暖色系といった照明の色も重要です。活動時間帯となる日中なら寒色系の照明でいいのですが、睡眠を取る時間帯には白熱球のような暖色系の照明にすることで刺激を抑えます。スマートフォンのブルーライトは弱くても刺激が強いので、寝る前には使用を控えましょう。

〇温度 ~深部体温を下げて入眠~

 人は手足などから熱を放出して体の奥の体温「深部体温」を下げることで眠りに入ります。部屋が暖か過ぎたり入浴直後に布団に入ったりしては、熱が放出できないので体温が下がらず眠気が増しません。

 逆に体温をいったん上げてから下げる方法も有効です。就寝の3時間前に軽い運動をすることで体温を上昇させると、眠る頃には体温が低下、眠りをもたらします。同様の理由からキムチ鍋やショウガ鍋といった食べ物で体温を上げるのも有効です。冷え性など、元々体温が低くて深部体温が下げにくい場合には、手足などをいったん温めることがお勧めです。

〇食事 ~トリプトファンを取ろう~

 質の高い睡眠に大切なセロトニンやメラトニンを体内でたくさん生成するためには、材料となるトリプトファンのほか、ビタミンB6やブドウ糖を食べ物から摂取することも重要です。

 それら3つの要素を効率よく得られるのはバナナです。納豆や豆腐といった大豆製品やチーズなど乳製品も効果的です。

 飲酒は一時的に眠気をもたらしますが、アルコールは利尿作用があるのに加え肝臓でアセトアルデヒドという覚醒物質に分解されるため、早く目覚めてしまったりすることになります。

 咀嚼(そしゃく)という「リズム運動」を伴うためガムをかむことでもセロトニンが多く分泌されます。

〇睡眠の実像 ~長さと規則性重要~

 睡眠は、脳と体の疲労を回復させることが役割で、量(時間の長さ)とリズム(規則的な就寝/起床)の2つが重要になります。

 日本人の平均睡眠時間は7時間程度と世界的にも短く、社会の24時間化や高齢化に伴ってなお短縮傾向にあります。

 平日睡眠不足の人が、休日に多く寝ているのに疲れが取れないという人がいますが、それは当然。蓄積した疲労を解消するには2〜3週間、毎日しっかり睡眠を取ることが必要となります。

 一方、睡眠の深さには、「うとうと」「すやすや」「ぐっすり」という3つがあり、脳が活動し夢を見る「レム睡眠」と、脳も休む「ノンレム睡眠」を周期的に繰り返しながら、徐々に浅くなっていきます。「ぐっすり」眠れるのは最初だけなのです。

〇田中医師から

田中俊彦医師  仙台市や秋田市など全国で5つの睡眠専門クリニックを運営する医療法人SOUND SLEEP理事長。専門は耳鼻咽喉科。睡眠時無呼吸症候群については数多くの診察数を誇る。

 睡眠不足は、注意力が低下し運転や作業で危険を生じさせます。特に睡眠時に呼吸が何度も止まる睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、血管に負担をかけ脳卒中や高血圧の原因にもなります。いびきをかく、血圧が高いといった症状がある人は病院で検査を受けることをお勧めします。

【仙台内科睡眠クリニック】
仙台市青葉区中央1-1-1 エスパル仙台東館4階
TEL022-791-4159
営/10:00~13:00、15:00~19:00(土曜午後は14:00~16:00)
休/水・日曜、祝日

■快眠の食卓 ~薬膳の視点もプラス~

 薬膳スパイス料理研究家の三浦真理さんが、医師がアドバイスするトリプトファンを含む食材を使いながら、薬膳の効能もプラスしたレシピを考えてくれました。

 1品目は、イライラしがちな気持ちを落ち着かせてくれるとされるトマトやパセリのほか、トリプトファンをたっぷり含む豆腐を、今が旬で不眠解消の効果が期待できるアサリと合わせた春らしいスープです。2品目も、不眠に良いとされるひじきと、トリプトファンが豊富な納豆やチーズを使った1品です。どちらも手軽に作れるのも魅力です。

〇豆腐とアサリ、トマトのスープ

【材料(2人分)】
殻付きのアサリ…150g(10個程度目安)
豆腐…150g
プチトマト…6個
コンソメ…小さじ1/2
水…200ml
塩コショウ…適量
パセリ…適量

【作り方】
《下準備》 殻付きのアサリは砂抜きをしておく(冷凍の砂抜き済みのアサリを使うと便利)
(1)アサリ、豆腐、プチトマト、コンソメ、水を小鍋に入れ、弱めの中火で温める
(2)沸騰してアサリが口を開けたら、塩コショウで味を調える
(3)皿に盛り付けパセリを散らして完成

〇納豆の油揚げ巾着

【材料(2人分)】
油揚げ…2枚
ひきわり納豆…1パック
乾燥ひじき…2g
ピザ用とろけるチーズ…15g
醤油…適量

【作り方】
《下準備》 半分に切った油揚げを開いて袋状にし、キッチンペーパーを敷いた皿に置いて電子レンジで30~60秒加熱して油抜きする。乾燥ひじきを90℃前後のお湯に約10分間浸して戻す
(1)ひきわり納豆、ひじき、チーズ、醤油を混ぜて、油揚げの袋の中に詰める
(2)グリルやフライパンで焦げ目が付く程度に焼く
(3)お好みで醤油をつけながらお召し上がりください

三浦真理さん  薬膳の知識を生かしてスパイスを用いる栗原市の家庭料理研究家。中国で最も最上位の薬膳師の資格「国際中医薬膳師」の資格を持ち、スパイスだけでなく旬の食材を使った料理を研究・開発している。家庭菜園ではスパイスや漢方食材も栽培する。元看護師で3児の母でもある。
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■アロマとハーブで快適な夜を ~生活の木 仙台パルコ店店長 柳沼君子さん~

左から、「ネムリラ ブレンドエッセンシャルオイル」の「ラベンダー」と「シトラス」(いずれも10ml 1980円)、「ネムリラ ピロースプレー」の「ラベンダー」(30ml 1210円、150ml 1980円)と「シトラス」(同)、「ネムリラ リードディフューザー ラベンダー」(100ml 2750円)、「ネムリラ 薬用入浴剤 ラベンダー」(385円)、「アイピロー ラベンダー」(2200円)
「おいしいハーブティー ムーンガーデン ティーバッグ」(30個入り 1296円)はハーブの風味そのままに、フルーツやフレーバーで飲みやすさとおいしさを追求した

 眠る前のひとときを、アロマの心地よい香りに包まれてゆっくり過ごすため、「ネムリラ ブレンドエッセンシャルオイル」をお薦めしています。ベルガモットやプチグレインが爽やかな「シトラス」、ラベンダーやクラリセージが優しい「ラベンダー」の2種類の香りは、どちらも幅広い年代の方から好評をいただいています。

 これらをアロマストーンに数滴垂らせば、火や電気を使わずに手軽に香りを楽しむことができます。また「ネムリラ ピロースプレー」は枕に数回スプレーすると、心地よい眠りの空間を演出します。

 そして「おいしいハーブティー ムーンガーデン」は、リンゴとカモマイルの甘い香りにほのかな酸味をプラスしたノンカフェインのハーブティーで、おやすみ前のリラックスタイムにお薦めです。

柳沼君子さん 生活の木は、アロマテラピーとハーブの専門店です。今回紹介した商品以外にも、自然や健康、楽しさをテーマに、様々なアイテムを取りそろえています。ハーブティーの試飲やアロマ選びのご相談もできます。スタッフ一同、ご来店をお待ちしています。

【生活の木 仙台パルコ店】
仙台市青葉区中央1-2-3 仙台PARCO本館地下1階
TEL022-774-8120
営/10:00~20:30
休/仙台PARCOの営業に準じる

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WEBサイト

(河北ウイークリーせんだい2025年3月13日号掲載)

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