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ワカメ収穫を体験 未来の漁師夢育つ<宮城・牡鹿半島 浜に生きる 寄磯・前網便り>

ワカメを刈り取る(左から)鈴木さんと渡辺さん

 穏やかな陽気となった2月末の石巻市寄磯浜。午後1時過ぎ、寄磯小4年鈴木初空(そら)さん(10)と渡辺愛涙(める)さん(7)が漁師の船に乗りワカメの収穫を体験した。

 漁業を学ぶ授業で、県漁協寄磯前網支所の青年部が協力した。2人が昨年11月に種付けしたワカメは、10センチ前後の種から成長し、養殖ロープにぎっしり。2、3メートルに伸びていた。

 昨年も体験した鈴木さんは鎌で1本1本ワカメを刈り取り、手際良く次々に籠に入れた。「ワカメが海に落ちないよう、気を付けて取った」。将来は漁師になりたいという。タコ漁師の祖父や地元の人々と接する中で、夢が膨らむ。

 300キロ以上のワカメを船に積んで港に戻った後、カッターで茎と葉を分けるメカブそぎにも挑戦。渡辺さんは「こっちの方が楽しい」と笑った。

 青年部の漁師渡辺元宏さん(46)は「地域の子どもが減っている上、海の変化が激しく仕事は大変。それでも『育てる漁業』だから、ワカメも、子どもらも息長く育てていきたい」と語る。

 児童らはお土産にワカメを袋いっぱいに詰めてもらった。「みそ汁で食べたい」と渡辺さん。寄磯の人々に見守られ、2人はこれからもぐんぐん成長していく。(石巻総局・山老美桜)

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