政宗石こう像は「試作品」ではなく「作品」 岩沼・馬事博物館に収蔵 作者日記で判明、市文化財に
宮城県岩沼市の竹駒神社の馬事博物館に収蔵されている「伊達政宗騎馬像」の等身大石こう像は、展覧会に出品するための作品だったことが、神社の調査で分かった。従来は仙台城跡(仙台市青葉区)の初代騎馬像のひな型(試作品)の一つとみられていた。作品として再評価され、市は6日、有形文化財に指定した。(岩沼支局・高橋鉄男)

[伊達政宗騎馬像の石こう像]高さ、全長ともに約2・8メートル。仙台城跡のブロンズ像と比べ、表情が柔らかく、扇子を持っていないことやあごひもの結びに違いがある。1938年に銅泥彩色で仕上げられたが、後年に金色に塗り直された。
政宗騎馬像は、同県柴田町出身の彫刻家小室達(とおる)(1899~1953年)が制作し、1935年に仙台城跡に初代が建立された。石こう像は38年に博物館に贈られた。高さ約4・2メートルの完成像よりも小さい約2・8メートルで、最終のひな型だったと考えられていた。
柴田町の「しばたの郷土館」の協力で所蔵する小室の日記を調べると、東京にアトリエを構えた小室は34年10月の日記に、制作中の石こう像は帝展(帝国美術院展覧会)に出品する意図があったとつづっていた。
ところが日記には、関係者の反対で出品を断念したと記されている。保管された石こう像は、馬の造形を助言した岩沼馬商組合長の渡辺豊蔵氏の依頼で、小室が博物館に贈った。
調査した神社の渡辺清子学芸員によると、初代騎馬像は政宗没後300年祭に合わせて制作されていたため、「地元にお披露目する前に帝展に出品されることを関係者が嫌がったのではないか」と推察する。

石こう像は2022年の福島県沖地震などで被害を受け、神社は23年に修復、24年に調査報告書をまとめた。今後は9月の秋季大祭で見学できる。
渡辺さんは「小室の作品は戦時中の金属供出で多くが失われており、オリジナルの大型作品が残されているのは非常に貴重だ。造形美術に優れた作品を、これからも守り伝えていきたい」と話している。
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