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戦中戦後の白黒写真10枚のカラー化完了 河北新報社収蔵、宮城学院女子大の学生が協力

 河北新報は、自社で収蔵する戦時中と戦後の白黒写真計9枚を、宮城学院女子大(仙台市青葉区)の学生の協力を得てカラー化した。先行して実施・掲載した1枚を含め全10枚の作業が完了した。今年は戦後80年。色彩を得て迫力を増した写真を通じ、戦災の記憶を語り継ぐ。(せんだい情報部・桜田賢一、編集部・吉江圭介)

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仙台空襲の焼け跡に戻ってきた市民。手前の男性は、防空壕に急ごしらえの屋根を造ろうとしていたという=1945年7月10日ごろ

 カラー化は1945年7月10日未明の仙台空襲の関連を中心に、43~46年に宮城県内で撮影された写真を対象にした。学生14人は東京大大学院の渡辺英徳教授(情報デザイン)の指導を受け、人工知能(AI)を用いて自動彩色した上で、画像編集ソフトで修整などを加え仕上げた。

 空襲直後の焼け跡を写した写真では、がれきだらけの中、国防色のカーキ色の衣類を身に着けた男性が防空壕(ごう)で工具を使って作業する様子や、座り込む男女らの姿が、色を得たことで際立った。

 45年7月12日の河北新報朝刊に掲載された1枚は、おにぎりなどの炊き出しを求め、列をつくる市民の姿を捉えている。空襲で焼け出された人々の表情や、樹木の深緑などが鮮明になった。

空襲後、炊き出しのおにぎりなどを求めて市民が行列をつくった=1945年7月12日掲載

 「おにぎりの炊き出し」のカラー化を担当した宮城学院女子大人間文化学科2年の野田京香さん(20)=仙台市青葉区=は「統制された戦時中のため、人々が苦しい表情を出さないようにしていると感じた。カラーで浮かび上がった一人一人の表情を見てほしい」と話した。

 カラー化を多く手がけてきた渡辺教授は「学生たちが主体的に活動する形で完成でき、素晴らしい。地域が被害を受けた戦争について自ら学びを深めたことが見て取れる」と評価した。

 カラー化のプロジェクトは昨年10月にスタート。河北新報の呼びかけに応えた学生が参画し、今年1月から分担して作業に取り組んだ。地域の戦災経験者、歴史研究者ら計5人との対話を重ね、撮影当時の色合いの再現を試みた。

 仙台空襲を捉えた1枚は先行してカラー化し、1月8日の朝刊とオンラインに掲載。プロジェクトで計10枚をカラー化した。

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宮城県警 みやぎセキュリティメールより