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中心市街地再生へ 「まちなか出店サポート」着手 石巻市、伴走型支援の窓口新設

空き地や空き店舗が目立つ石巻市の中心市街地

 石巻市は、空洞化する中心市街地への出店を後押しするため、2025年度から「まちなか出店サポート事業」に取り組む。空き地や空き店舗の実態を調査し、出店希望者に利活用できる物件を紹介したり、事業計画立案の相談に応じたりする伴走型支援の窓口となるセンターを新設する。

 市は市内の事業者に業務を委託する。センターでは、出店希望者に活用が見込める物件情報を提供。市や石巻商工会議所などで複数用意している補助金メニューを一元的に紹介する。

 本年度は調査業務を主体に、中心市街地で活用が見込める物件情報をデータベース化し、ホームページなどで情報発信する。試行的にセンターをオープンさせ、26年度から本格的に出店希望者の相談を受ける予定。

 出店後は既存店舗の事業者とコミュニケーションが図れるよう、サポートするほか、経営などの課題について関係機関につなぐ。

 市は空き地、空き店舗対策としてセンターを設置し、市民が目的地として訪れ、観光客も楽しめる回遊性のあるまちを目指す。センターはまちのコーディネート役も担う。

 市は25~29年度の5年間で、新規出店の目標を累計30店舗とする。商工課の担当者は「街中で商売をしたくても物件をうまく見つけられないケースがあると聞いている。出店へのニーズを受け止めて空洞化をくい止め、中心市街地に人の流れを生み出したい」と強調する。

 石巻市の中心市街地は東日本大震災前から、三陸沿岸道石巻河南インターチェンジ周辺など郊外エリアの発展により商店や人口が減少。震災が衰退に追い打ちをかけ、被災した店舗や事業所などを解体したことで空き地も目立つ。

 中心市街地では震災後、北上川河口部に商業施設「いしのまき元気いちば」や市かわまち交流センターなど交流拠点が整備され、週末を中心に観光客でにぎわう。一方で商店が並ぶ立町・中央エリアやJR石巻駅前まで客が足を延ばさないことが課題となっている。

 「街中ではシャッターが閉まっていても使えるのか分からない物件が多く、出店が進まない原因になっている」との指摘もある。

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