閉じる

就活の一助に 困難抱える学生向けハンドブック作成、配布 石巻の事業所

ハンドブックの活用を呼びかける長岡さん
進路に対する気持ちを確かめるチェックリスト

 若者の就学、就労を後押しする石巻市鋳銭場の支援事業所「ユースサポートカレッジ石巻NOTE」は3月、学校生活や社会になじむことに困難を抱える生徒・学生向けに、進路選択に活用してもらうハンドブックを制作した。担当者は「自分の気持ちを確認したり、周囲の人がサポートの参考にしたりするツールにしてほしい」と話す。

 「いろいろな進路選択ハンドブック」は、チェックリストや自由記述の設問に答えることで、自らの考えを整理したり、どのような形で社会に出るのかを考えたりする。できることと苦手なことを確認し、就職活動や進学先の検討などに役立てる。それぞれの進路選択時に利用できる相談先や支援機関も知ることができる。

 チェックリストは「学校に休まず通える」「初めての人にあいさつできる」「話を最後まで聞ける」などの設問を4段階で評価し、生活力や社会性、仕事に必要な力といった能力を測る。就労への意欲という数値化の難しい精神面は、コップに入る水の量で表現してもらう。

 制作を担当した長岡千裕さん(47)は「高校を出て支援を受け始めるには気持ちの準備が必要になることもある。敷かれてきたレールを外れる時だからこそ、自分の意志をしっかり確認する機会が必要だ」と説明する。

 法人が県内の高校で開く「居場所カフェ」が制作のきっかけになった。生徒の悩みをすくい上げる場として2017年から実施。相談を通じ、発達、精神的な障害などから進路に不安を抱える生徒が少なくないことに気付いたという。

 長岡さんは「進路選択は本人や周りの人にとってもつらく、悩める時期になる。互いの気持ちを理解しながら納得できる道を見つけ出せるように活用してほしい」と語った。

 ハンドブックはB6判10ページ。300部制作し、石巻地方の高校や支援機関に配布した。法人の事業所でも手に取ることができる。連絡先は0225(25)5374。

関連リンク

石巻かほく メディア猫の目

「石巻かほく」は三陸河北新報社が石巻地方で発行する日刊紙です。古くから私たちの暮らしに寄り添ってきた猫のように愛らしく、高すぎず低すぎない目線を大切にします。

三陸河北新報社の会社概要や広告などについては、こちらのサイトをご覧ください ≫

ライブカメラ