損保が顧客対応デジタル化 やりとりや被害写真をLINEで

損保ジャパンが提供するLINEの画面

 損害保険各社がスマートフォンのアプリなどデジタル技術を活用した顧客対応を進めている。電話のつながりにくさや保険証券の紛失といった課題の解消は、顧客の利便性だけでなく災害時対応の向上にもつながる。東日本大震災から10年目を迎え、各社は相次ぐ大規模災害への備えの一つとしてサービス活用を促す。

 大手各社はインターネット上で顧客専用のページを提供する。多くは被害状況や写真を登録でき、迅速な保険支払いを可能にしている。災害などの際は請求漏れを防ぐため、被災地域の全加入者に案内を送信する措置も取る。

 三井住友海上火災保険は、専用ページと無料通信アプリLINE(ライン)をひも付けると、事故連絡や代理店の連絡先確認がより簡単にできる。同社東北本部によると、新型コロナウイルスの広がりを受けた非接触対応の需要もあり、急速に利用が拡大している。

 東北本部の担当者は「(周囲に人がいる)来店と比べて、話しにくいことを話せる利点もある」と言う。震災10年に当たり被災地の語り部活動の支援を強化しており、語り部が訴える「備えの大切さ」を商品提案につなげている。

 あいおいニッセイ同和損害保険も公式ホームページで事故を受け付け、代理店情報や契約内容、自動車保険の受け付け後の経過も確認できる。仙台支店の担当者は「災害時は代理店も大変。人海戦術は続けるが、専用ページ登録で客の利便性が高まる」と話す。

 LINEを積極的に活用するのは損保ジャパン。保険金請求のやりとりを全てLINEで済ませられるほか、被害状況や見積書などを写真に撮って送信すれば、早ければ即日で支払い手続きができる。浸水の痕跡の写真を送ると保険金の目安を算定するサービスも今秋開始。東北業務部は「宮城でもLINEでのやりとりは30~40%に増えている」と説明する。

 東京海上日動火災保険はスマホアプリ「モバイルエージェント」を提供する。保険証券を撮影すると自動で内容を読み取り、契約者専用ページと連動する。自動車保険の「ドライブレコーダー特約」は、機器が強い衝撃を検知するとリアルタイムで通知される。

 新型コロナ感染拡大を踏まえて今月、オンライン商談手続きも導入。東北業務支援部の担当者は「災害時に証券を持って逃げなくても、スマホはほぼ持っていく。スマホ一つで完結できるサービスをコンセプトにしている」と強調する。

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