浪江・津島原発訴訟が結審 住民643人原状回復要求

 東京電力福島第1原発事故に伴い帰還困難区域に指定された福島県浪江町津島地区の住民が、国と東電に除染による原状回復と古里を奪われたことへの精神的慰謝料など計約265億円の支払いを求めた訴訟は7日、福島地裁郡山支部で結審した。判決は7月30日。
 原告側は最終の意見陳述で、津島地区では住民互助の「結い」が営まれ、田植え踊りの伝承などを通じて地域が家族のように暮らしていたと説明。除染や家屋解体のスケジュールが国から示されず、先祖代々の自宅が朽ちていくことへの苦しみも訴えた。
 今野秀則原告団長は「東電が主張するような単なる郷愁ではない。地域に根差した生活を失うことは人生を奪われるに等しい」と強調した。
 被告側は、中間指針に準じた慰謝料を既に支払っているなどと主張。2002年公表の地震予測「長期評価」は科学的根拠がないとして、原発の安全基準に採用しなかった判断過程に著しい過誤はなく、津波は予見できなかったと反論している。
 15年9月提訴。1地区の住民がまとまって主に原状回復を求めた訴訟は初めてで、原告は地区住民の約半数の218世帯643人。訴えによると、古里を奪われた精神的苦痛への慰謝料を月10万円から35万円に増額し、地区の放射線量を毎時0・23マイクロシーベルト以下まで低減することなどを求めた。原状回復が認められない場合の慰謝料として1人3000万円も求めている。

関連タグ

河北新報のメルマガ登録はこちら
原発事故・放射線」

復興再興

あの日から

復興の歩み

先頭に戻る