仙台のオフィスビル空き室率10年ぶり上昇 コロナや新規供給が影響

 オフィスビル仲介の三鬼商事仙台支店が14日まとめた2020年末の仙台市のオフィスビルの空き室率は、前年同期比1・32ポイント上げて5・51%と、10年ぶりに上昇に転じた。新型コロナウイルスの感染拡大に伴う解約や、3年ぶりの新規ビル供給が影響した。
 調査対象は延べ床面積約990平方メートル以上の352棟。空き室面積は1年間で約2万560平方メートル増えた。大型ビルが密集する仙台駅前地区は3・16ポイント上昇の6・01%と、全5地区のうち上昇幅が最も大きい。感染拡大防止のためのテレワークが普及し、外資系ソフトウエア会社や製造業大手の子会社が撤退した。
 一番町周辺は1・18ポイント上昇の4・38%、宮城県庁・市役所周辺は1・05ポイント上昇の6・78%。外資系の製薬会社の撤退や飲食店の閉店が相次いだ。
 一方、駅東は2・10ポイント低下の4・31%。床面積の広いコールセンターの需要が依然として旺盛で、空き室率が5地区で最低となった。周辺オフィスは0・37ポイント低下の8・63%。
 20年は仙台花京院テラス(青葉区)、新仙台ビルディング(同)、仙台宮城野ビル(宮城野区)が開業。新規ビルへの移転で2次空室が発生した。21年はJR仙台イーストゲートビル(宮城野区)、高惣木工ビル(同)、ミレーネT仙台ビル(青葉区)が稼働するため、空き室率を押し上げそうだ。
 仙台支店の担当者は「20年の前半はコロナ禍で打撃を受けた飲食店の撤退が多く、後半からオフィスの縮小や解約の動きが外資系を中心にみられた。国内企業は様子見状態が続き、注視が必要だ」と話した。
 市内の不動産調査会社の担当者は「今年はコロナ禍の業績悪化を受け、固定費を削減するための解約も増えそうだ。その中でも新築ビルは需要が高く、既存ビルとの二極化が進む」と見通す。

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