田中将大投手が8年ぶりに東北楽天に復帰する。甲子園を沸かせたスターは、東北の地で日本球界のエースへ成長し、米大リーグでも白星を積み重ねた。「マー君」の球歴を振り返る。
北海道・駒大苫小牧高時代は「北の怪物」の異名を取った。3年夏は斎藤佑樹投手(日本ハム)擁する東京・早実高と引き分け再試合の激闘を繰り広げた。
2006年9月の高校生ドラフトで4球団が競合し、東北楽天が交渉権を得た。新規参入後2年連続最下位に沈む弱小球団だったが、入団に迷いはなかった。
「本当の意味での挑戦者になれる。新しいチームで歴史を刻んでいきたい」
1年目から別格の輝きを放った。エースナンバーの背番号「18」を背負い、11勝(7敗)を挙げ、4位浮上の立役者となった。高卒新人としては松坂大輔投手(西武)以来の2桁勝利で、新人王に選ばれた。
「マー君、神の子、不思議な子」。失点しても打線の援護を得て負けない試合が続いたことから、当時の野村克也監督(故人)はこう名言を残した。「何か運の強い星の下に生まれている」とも評した。
11年は鋭く落ちるスプリットボールを覚え、最多勝利、最優秀防御率、最優秀投手(勝率1位)の3冠に輝き、先発投手にとって最高の栄誉である沢村賞も初受賞。東日本大震災に遭った東北に明るい話題を提供した。
そして13年。開幕から無傷の24連勝、防御率1・27という異次元の成績で、球団創設9年目で初のリーグ優勝、日本一に導いた。
語り草は巨人との日本シリーズ第7戦。3点リードの九回、星野仙一監督(故人)がマウンドに送り出し、ファンは登場曲「あとひとつ」の大合唱で迎えた。前日160球完投して敗れていた田中将は魂の15球で応え、大団円を迎えた。「星野監督を胴上げできたことは僕の野球人生の大切な思い出」と後に振り返った。
25歳で迎えた同年オフ、大リーグに挑戦した。ポスティングシステムで移籍先に選んだのはヤンキース。優勝を義務付けられた名門球団と7年総額161億円の大型契約を結んだ。
メジャーでも日本人初の6年連続2桁勝利を達成するなど、安定した成績で期待に応えた。通算78勝は日本人大リーガーとして野茂英雄(123勝)黒田博樹(79勝)の両投手に次ぐ単独3位。直球を減らし、ツーシームを増やすなど、変化を恐れず成長を追い求めた。一方、けがに苦しめられた。14年に右肘靱帯(じんたい)の部分断裂が発覚し、保存治療を選んだ。15、19年オフには右肘クリーニング手術を受けた。
海の向こうで戦いながら、自らを育てた東北に思いを寄せてきた。毎年3月11日には「震災を風化させてはいけない」「できる限りのことを続けたい」などとコメントを発表。被災地の小学校訪問も続けている。
目標としたワールドシリーズ制覇は達成しておらず、メジャー球団からの大型オファーもあったとみられる。その中で復帰を決めたのは支えてくれるファンと球団への恩返しの気持ちが含まれているのだろう。
日本通算99勝。プロ野球記録の公式戦28連勝は継続中だ。震災から10年のシーズンに凱旋(がいせん)し、東北に再び歓喜をもたらす。
(佐藤理史)
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