経営難の弘南鉄道に9.5億円 沿線5市町村が支援計画公表

経営難が続く弘南鉄道の大鰐線

 沿線の人口減などで経営難が続く弘南鉄道(青森県平川市)の弘南線(弘前-黒石、16・8キロ)と大鰐線(大鰐-中央弘前、13・9キロ)を巡り、青森県弘前市は、沿線5市町村による計約9億5000万円の支援計画を公表した。特に経営が厳しい大鰐線については、収支改善が見込めない場合に2025年度末での廃止を含めて協議する。

 弘前、黒石、平川、大鰐、田舎館の5市町村が支援する。21年度に開始し、弘南線が10年間、大鰐線が5年間の支援を見込む。

 内訳は、設備修繕や更新に充てる安全輸送対策費が5億9000万円。定期券の割引などに使う利用促進費が1億3000万円。二つの支援でも黒字化が見込めない大鰐線には、さらに2億3000万円を支出する。

 沿線の高校に通う学生らが利用する弘南鉄道は慢性的な赤字経営に陥っている。13年には同社が大鰐線の廃止を発表。周辺自治体などからの求めに応じ、撤回した経緯がある。19年度は約6590万円の赤字を計上。20年度も新型コロナウイルスの影響で乗客が減少している。

 07年から国、県が行っている安全輸送対策費の一部補助に加え、弘南鉄道が負担してきた補助対象外の経費を5市町村が新たに援助しながら経営再建を目指すことになった。

 大鰐線については、23年度末時点で19年度と比べ約2000万円の増収を目指す。計画通りに進まなければ、廃止の可能性も視野に協議する。単純に乗客の増加だけで増収を確保する場合、19年度の1・5倍(約61万人)の乗客数が目安となり、路線存続のハードルはかなり高い。

 弘前市地域交通課は「目標設定は大変厳しい数字ではあるが、地域の足を確保するため、さまざまな可能性を模索しながら支援していきたい」と強調する。

 弘南鉄道の船越弘造社長は「行政の思いを大事に受け止め、安全対策の構築や省力化に努めながら、健全経営を目指したい」とのコメントを出した。

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