特急ひたち、仙台から約9時間かけ上野へ 暴風雨の夜、執念の運行

強風で何度も止まりながら上野駅に到着した「ひたち22号」をたたえる投稿がツイッターに相次いだ(画像を一部処理しています)

 宮城、福島両県で震度6強を記録した地震の影響で運休している東北新幹線の代替輸送手段として15日夕に仙台駅を出発したJR常磐線の列車が、強風のため途中で何度も止まりながら8時間43分かけ、16日未明に上野駅に到着した。安全を確認しながら乗客約220人を運んだJR東日本の対応に、ツイッターでは称賛の声が上がった。

 JR東日本によると、15日は大雨と強風のため、いわき―仙台間で運休が相次いだ。午後1時57分発の臨時快速列車も運休を検討したが、多くの利用者から「何とか動かしてほしい」との声が寄せられたという。このため「上野到着は明朝になる見込み」とアナウンスした上で、約4時間遅れの午後5時55分、仙台を発車した。

 列車は強風のため宮城、福島県内でたびたび停止。いわき駅に着くころには日付が変わった。いわきからは特急「ひたち22号」として運行し、上野には16日午前2時38分に到着。予定より約8時間遅かった。

 JR東日本水戸支社によると、長時間の乗車が確実だったため、仙台と原ノ町、いわきの各駅で乗客にパンと飲み物を提供。上野到着時も軽食を配り、山手線などの始発まで車内にとどまれるようにした。

 ツイッターでは15日夕、乗客が「上野到着は明朝になる」との車内放送の動画を投稿すると、鉄道ファンや常磐線沿線の住民らが反応。「強風の中で運行するJRに感謝」「ひたち22号頑張れ」などのメッセージが相次いだ。常磐線を夜行列車が多く走っていた国鉄時代に思いをはせるツイートもあった。

 仙台を訪れた帰りに乗車した東京都西東京市の高校3年福田悠磨さん(18)は「東日本大震災で長い間不通だった常磐線が、今回の地震で新幹線をバックアップしたのは(常磐線の)恩返しのように感じた」と話した。

 ツイッターでは「受験生が乗っていたから頑張って走らせた」との投稿もあったが、水戸支社によると、乗客に受験生がいないか確認したところ、申し出た人はいなかったという。

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