震度6強 家屋の修理負担、福島と格差? 山元の住民「支援なしは納得できない」

基礎部分に生じた亀裂を指し示す佐藤さん=22日、山元町坂元地区

 宮城、福島両県で最大震度6強を観測した13日の地震で、家屋修理の負担について宮城県山元町の住民から不安の声が上がっている。町での被害は県内最多の172戸に上ったが、手厚い公的支援が期待しにくいためだ。隣接する福島県側では国の支援を受けられる可能性もあり、住民は複雑な思いを抱いている。

 「車で10分走れば福島県新地町。県境のこちら側は国は支援しないというのであれば、納得できない」

 山元町坂元地区の無職佐藤光義さん(74)は語気を強める。築40年の木造2階の自宅は窓サッシがほとんど抜け、天井と壁に数センチの隙間が至る所にできた。昨年9月に購入した給湯器が壊れ、断水が解消した18日以降もお風呂に入れない。

 地震保険に加入しているが「夫婦2人の年金暮らし。余裕はなく、次の地震に耐えられる程度の補修で済ませるしかない」と語る。

 住民が公的支援の格差を気にするのは、福島県が17市町に災害救助法を適用した一方、宮城県は適用がなかったためだ。自宅修理費の一部について半壊以上で上限59万5000円、準半壊で30万円を国が補助する応急修理制度は同法適用が前提になる。

 山元町の住宅被害は瓦屋根の落下や壁の亀裂などが目立ち、全壊は確認されていない。既存の枠組みではそもそも対象になるかどうか微妙なケースが多いとみられる。

 瓦や天井が壊れ、罹災(りさい)証明書の申請に役場を訪れた坂元地区の無職庄司利逸さん(79)は「窓口で公費は出ないと言われた」と肩を落とした。

 町は政府や与党に対し、被災者を支えるための特別交付金の交付などを求めている。町民には東京電力福島第1原発事故時、宮城県丸森町で、ほぼ同じ放射線量だった福島県北部と除染対策や補助で差が出たとの思いが残る。斎藤俊夫山元町長も22日の記者会見で「憤りを感じた。拭い切れない記憶」と吐露した。

 斎藤町長は「災害は県境で割り切れるものではない。町の対応が問われている」として、今後、町独自の支援を検討する考えを示した。

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