教員の役割、被災地で調査「実感持ち教訓伝える」 宮教大学生有志が自主ゼミ活動

被災地で震災時の話を聞く学生ら=昨年9月、石巻市

 東日本大震災の教訓の継承に向け、宮城教育大の学生有志らが自主ゼミ「311ゼミナール」の活動に力を入れている。震災10年目の本年度は、石巻市で震災の風化や住民の思いを調査するなどし、教員に求められる役割を分析。被災地以外出身の学生も多く参加し、教育現場で震災をどう伝えるか学びを深めている。

 311ゼミには本年度、1年生から大学院生までの35人が登録。新型コロナウイルスの感染拡大による制約の中で、オンラインなどで週1回のゼミを続け、学校避難や防災教育の授業づくりなど、テーマごとに5チームに分かれて調査研究を行った。

 経験の継承をテーマとしたチームは、石巻市の小渕浜地区で昨年9月、親族を亡くした住民らの話を聞き、約170人を対象にアンケートを実施した。9割以上が震災時の様子を記憶する一方、6割が風化が進んでいると回答。被災の痕跡が薄れる中、3割近くが伝承の担い手として教員に期待する状況も明らかになった。

 母親が小渕浜地区出身で、活動の中心を担った1年佐藤駿さん(18)は「なじみのある地域だが、10年目で初めて聞く話が多かった」と振り返る。地区の小学校の教職員らにも体験を聞き、「教員として学校の立地に合わせた避難方法を常に考えなければならないと実感した」と話す。

 新庄市出身の1年半田柊斗さん(19)は「東北で教員になるのに震災を知らないままではいけないと思った」と強調。「現地を訪ね、一瞬で全てを奪う災害の怖さを痛感した。少しでも実感を持って児童らに教訓を伝えたい」と話した。

 ゼミは今月3日、オンラインで報告会を実施し、今後の活動目標などを確認した。

 宮教大は2019年、震災を教訓に「311いのちを守る教育研修機構」を設置し、防災に意欲を持つ学生の自主ゼミとして311ゼミを新設。毎年希望者を募り、活動を続けている。

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