困難に立ち向かう姿見て 台風19号で閉館した温泉が舞台 利府町民劇団が13、14日公演

道珍坊温泉を舞台にした公演の練習に励む劇団員たち
解体工事が始まる前の道珍坊温泉と冨士渓さん

 宮城県利府町の町民劇団「ありのみ」が13、14の両日、2019年の台風19号豪雨で被災し閉館した町内の道珍坊温泉を題材にした「長根怪道百鬼夜行」を町公民館で上演する。

 主人公は東京五輪の聖火リレーランナーに推薦された女子高校生で、東日本大震災の津波で妹を亡くした。道珍坊温泉に縁のある妖怪との出会いを機に震災と向き合い、台風19号や五輪延期という新たな困難に立ち向かう―という物語。

 温泉の歴史は古く、江戸時代中期に湯治場として整備された。最盛期の1990年ごろは月1000人が訪れたが、台風19号の大雨で施設は床上1・5メートルほど浸水。客足が遠のいていたこともあり、母親と経営していた利府町の富士渓豊徳さん(60)が閉館を決めた。

 劇団は2020年3月の公演のため、道珍坊温泉を舞台にした脚本を準備していたが、台風19号の被災で脚本を大幅に修正。その後、新型コロナウイルスの影響で公演が中止になり、五輪の延期もあって脚本を再び書き直した。

 富士渓さんは「閉館は残念だが、劇で取り上げてもらうことには感謝している。この機会に多くの人に道珍坊温泉を知ってもらいたい」と期待する。

 開演は13日午後2時と午後6時、14日午前10時45分。入場料500円。連絡先は町公民館022(356)2125。

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