お茶の井ケ田本店が移転 築70年、老朽化で決断

老朽化により移転するお茶の井ケ田一番町本店=仙台市青葉区一番町3丁目

 仙台市青葉区の一番町一番街商店街で90年以上にわたり営業してきた「お茶の井ケ田一番町本店」が、5月末に閉店してクリスロード商店街に移転、6月1日に新装オープンする。築70年が過ぎた建物の老朽化による苦渋の決断だが、市中心部商店街にとどまることで、毎年恒例の仙台初売りは継続する。

 お茶の井ケ田(青葉区)は1920年創業。一番町本店は28年に現在地で営業を始めた。45年の仙台空襲で焼失したが47年に再建し、2度の改装を経て今に至る。仙台初売りでは豪華景品入りの茶箱を販売し、開店前から行列のできる象徴的な場所として知られる。

 一方、建物は築70年が過ぎ、雨漏りなど老朽化が進んだ。現在地は借地で、建て替えも検討したが三方をビルで囲まれていて工事が難しいことなどから4年ほど前に移転を決断。物件を探していたという。

 現在地から東へ約400メートル離れた新店舗は、奥行き約33メートル、幅約8メートルの1フロア。面積は1・3倍の約230平方メートルとなり、客席は15席から30席に倍増させる。今の顧客を大切にしながら、甘味メニューを充実させて新しい客層の開拓も図る。空調設備を強化するなど感染症対策に力を入れる方針。店舗名は検討中。

 同社は昨年100周年を迎えた。井ケ田健一社長(39)は「後ろ髪を引かれる思いだが、初売りの継続を一番に捉え、中心部商店街内で移転する。次の100年に向けた新しいチャレンジ。引き続き地域に貢献できる店舗を目指したい」と意気込む。

 一番町一番街商店街では1月、笹かまぼこ製造・販売の鐘崎(仙台市)も40年以上営業した一番町店を閉店。同商店街振興組合の三田恵介理事長(70)は「街のシンボル的な老舗が移転すると聞いて耳を疑った。昔からの仲間が相次いで去り、つらい気持ちだが新天地でも魅力を発揮してほしい」とエールを送る。

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