デスク日誌(4/1):春の教え

 「あんたの写真、上の方全く必要ないから」
 外勤記者1年目の4月。看護学校の入学式の取材から戻ってくると、写真のうまい先輩記者にお叱りを受けた。
 確かに、新入生が写っているものの、画面の中心からずれていて、表情もはっきりしない。式場の天井や壁が逆に目立っていた。
 当時はフィルムカメラで、自分たちで現像し、焼き付けもしていた。取材を始めたばかりで「せっかく撮ってきたのに、ひどいこと言うなあ」と思ったが、30年たった今、ありがたかったと感じている。構図はもちろん、入れるべきものや人の表情…。どんな写真が良いのか、あの日をきっかけに考えるようになった。
 取材する側から、写真を受け取って紙面にする側に移っても、基準は変わらない。時に要らない部分をトリミングし、写真を差し替えてもらうこともある。
 写真に限らず、取材の方法、原稿の書き方も、数々の先輩たちの助言によって導かれてきた。コロナ下でストレスの絶えない年度初め。さまざまなスタート地点に立つ新人が、良き春の教えに巡り会えることを願っている。
(整理部次長 大場隆由)

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