仙台圏病床「ほぼ満杯」 医療関係者に危機感

リッチモンドホテル仙台で点滴を受けるコロナ患者(県提供)

 仙台市が新型コロナウイルスの「まん延防止等重点措置」の対象地域に決まった3日、コロナ治療の最前線に立つ医療関係者は県内の医療体制に「危機」「崩壊寸前」と危機感をあらわにした。仙台医療圏は深刻で、入院先の調整を指揮する冨永悌二東北大病院長は「(病床使用は)100%に近い。ほぼ満杯」と窮状を訴えた。県は各病院に増床の協力を求めるとともに、軽症者らが療養するホテルを新たに確保する方針を固めた。

 厚生労働省によると、県内の人口10万人当たり感染者(3月26日~4月1日)は41・20人(全国平均11・65人)で、人口10万人当たりの療養者は30日時点で57・0人(14・1人)。ともに都道府県で最悪。

 県内の確保病床は3日時点で281床で、67・7%が埋まる。3月31日までは240床前後だったが、医療機関の協力を得て段階的に増床した。

 それでも仙台医療圏に限ると使用率は90%以上。手術や検査の延期、救急車の受け入れなど通常診療への影響が出始めているという。冨永氏は「コロナ患者だけでなく、コロナ以外での死者も出る恐れがある」と危惧した。

 軽症者や無症状者が療養する宿泊施設の収容能力も限界が近づく。3日午後3時時点の宿泊療養者は、過去最多の453人。入院・療養先調整中は606人で、大半がホテル療養を待つ感染者という。村井嘉浩知事は「入院できずにホテルや自宅で死亡する例も出かねない」と懸念する。

 リッチモンドホテル仙台(仙台市青葉区)には、本来入院が必要な症状の患者が留め置かれている。県によると、3月29日時点で呼吸不全で酸素投与が7人、点滴投与が5人、1週間以上の高熱が5人。先週末には8人が病院に救急搬送された。

 県は市内にホテル3棟(計650室)を確保しているが、市内に4棟目のホテルを近く確保する。

 県医師会の佐藤和宏会長は「医療体制も飲食店経営も崖っぷち。解決する唯一の方法は新規感染者を増やさないことだ」と強調。仙台市医師会の安藤健二郎会長は「医療や介護には重い負担がかかっている。なるべく家にいて自分自身を守ってほしい」と呼び掛けた。

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