デスク日誌(4/7):文章術

 長年、記事の書き方が下手で悩んできた。取材先で聞いた話を盛り込みすぎて焦点がぼやけたり、文章の真意が伝わらなかったり。書くのが怖くなって体調を崩したことも何度かある。
 文章作りの基本は客観的な第三者の目線で自分の原稿を読み直すこと。それを実践しようと試行錯誤し、移動しながら原稿を完成させる手法に行き着いた。
 締め切りまで余裕がある場合、パソコンで書いた文章を印字し、図書館や喫茶店に行く。気分を入れ替えて別人のつもりで読み、時系列などに注意しながら赤ペンを入れる。「開催する」といった言葉は「開く」に直して字数を削る。
 新型コロナウイルスの感染問題が長引き、移動して落ち着ける場所はなかなかない。人の少ない公園などを見つけて赤ペンを走らせている。
 中高生を対象に記者の仕事を話す時は「読んでくれる人の目線」を強調する。作文や論文の書き方にも通じるところがあるはずだ。
 海外では人工知能(AI)が記者の仕事の一部を担っていると聞く。とはいえ、文章を完成させるため、あれこれ悩む作業は今後も続くだろう。
(大崎総局長 喜田浩一)

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