社説(4/16):政治の男女格差/放置せず 具体的取り組みを

 政治や経済分野で顕著な男女格差をいつまで放置しておくのか。このままでは、日本は世界から取り残されかねない。まずは政治の分野で「クオータ制」の導入といった手を打つべきではないか。

 スイスのシンクタンク、世界経済フォーラムが公表した「男女格差報告」(ジェンダー・ギャップ指数)で、日本は156カ国中120位だった。同報告は政治、経済、教育、健康の4分野を指数化して国別順位を算出。日本は先進7カ国(G7)の中で他国に大きく引き離されている。政治(政治参画)は147位と世界最低レベルで、117位の経済とともに順位低迷の要因となっている。

 政治では3項目のうち、国会議員(衆院議員)の女性割合が9・9%、女性閣僚の比率は10%。女性首相はいまだに誕生していない。

 女性議員が少ないのは、そもそも立候補者が少ないことにある。

 2018年に成立した政治分野における男女共同参画推進法で、政党が男女の候補者を均等にすることは努力義務にとどまった。施行後初の19年参院選では、候補者に占める女性の割合は28・1%と過去最高を更新したものの、均等にはまだ遠い。中でも、自民、公明両党が低かった。

 政府が昨年12月に閣議決定した第5次男女共同参画基本計画では、国政選挙と統一地方選の候補者を25年までに35%にする目標値を示した。だが、このままでは達成は難しい。

 目標達成の手段の一つであるクオータ制は、議員や立候補者の数の一定割合を女性に割り当てるもの。

 内閣府によると、20年2月時点で、世界196の国と地域のうち、118カ国がクオータ制を導入している。議員の候補者の一定割合を女性に割り当てているのが60カ国、政党による自発的クオータ制は55カ国に上る。

 女性が立候補や活動をする際の障壁としては、「政治は男性のもの」とする固定観念のほか、家庭や子育てとの両立、家族の理解、ハラスメントなどがある。それらの問題は私たち一人一人がジェンダー平等に対して正面から向き合い、意識を変えないと解決は難しい。単にクオータ制を導入しただけでは絵に描いた餅になりかねない。

 政治の男女格差に関して、現職を多く抱える自民党の取り組みはなかなか進まない。政党へ自助努力を求めるとともに、投票の際、各政党が男女格差の解消にどれだけ真剣に取り組んでいるかを投票行動の選択肢にする機運を高めていくことも必要だろう。

 東京五輪・パラリンピック組織委員会の森喜朗前会長の女性蔑視発言に、海外は敏感に反応した。日本の男女格差に対する海外の目が厳しいことを、政治家を含め私たちはもっと深刻に捉え、具体的な行動に移すべきだ。

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