サステナブルなギンザケ製品開発 塩釜・CFで先行販売

宮城県産の養殖ギンザケを使ったレトルトパウチ製品 

 水産物卸売業の阿部亀(あべかめ)商店(塩釜市)は、宮城県産の養殖ギンザケを使ったレトルトパウチ製品を開発し、28日までクラウドファンディング(CF)を行っている。漁などの工程で環境負荷の軽減に配慮した「サステナブルシーフードシリーズ」の第2弾。水産業の持続可能性向上と、新たな市場の掘り起こしを狙う。

 新製品は1個85グラムで板状の塊。塩釜市の自社工場で加工した。原材料は石巻市の石巻魚市場に水揚げされる養殖ギンザケと藻塩だけ。保存料やうま味調味料といった添加物は使用しない。加熱済みのため、ツナのようにサラダやパスタなどに使ってすぐに食べられる。

 シリーズでは、資源の枯渇や生態系に与える影響が少ない漁法で漁獲された水産物だけを使用。第1弾は昨年6月に先行発売したレトルトパウチ製品の「ツナ」で、三陸沖で一本釣りした天然ビンチョウマグロを原料にした。

 両製品とも水揚げ後、一度も冷凍せずに製品化し、温度変化による食味の劣化を補う添加物や調味料を使わない。冷凍輸送もしないため、二酸化炭素排出などの環境負荷が少ない。

 CFは3500~5万円のコースを用意。出資者には返礼品として、製品や同社の電子商取引(EC)サイトでの購入が1年間半額になるパスを発行する。9月からは製品をECサイトで一般販売する。

 返礼品は7月に送付開始。事実上出資者向けの先行販売となる。新商品発売に合わせCFを活用するのは一定の売り上げ予測が製造前に立てられるため。同社は卸が主体で、小売り参入には販路開拓などに必要な人材やノウハウが不足しているが、CFは店などへ営業をしなくても広く認知してもらえる利点がある。

 環境負荷の軽減や持続可能性に着目したのは、同社が水産物卸として海外企業などと原材料を取引してきたことがきっかけ。米国などでは既に、漁法によって商品の売れ行きが左右されるケースがあるという。

 CFの目標金額は30万円だが、20日現在185万円が寄せられた。阿部健専務(36)は「国内でも変化が起き始めており、将来は持続可能性に配慮した製品が主流になる。サステナブルを明確にうたったシリーズのラインナップを増やし、消費者の期待に応えられる製品を届けたい」と話す。

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