三内丸山、世界遺産へ 北海道・北東北の縄文遺跡群、登録勧告

復元された大型掘立柱建物=青森市の三内丸山遺跡

 国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関・国際記念物遺跡会議(イコモス)は26日、「北海道・北東北の縄文遺跡群」(北海道、青森、岩手、秋田各県)を世界文化遺産に登録するよう勧告した。7月の世界遺産委員会で正式に決まる見通し。登録されれば東北で4例目となる。

東北4例目、7月決定

 イコモスは登録の可否や推薦書の再提出など評価結果4区分のうち、「世界遺産一覧表への記載が適当」と勧告した。7月16~31日にオンラインで開かれる世界遺産委で可否が判断される。勧告内容は反映されるのが通例となっている。

 縄文遺跡群は大規模な集落跡として有名な三内丸山遺跡(青森市)のほか、北黄金貝塚(北海道伊達市)や大湯環状列石(鹿角市)など幅広い。

 年代は紀元前1万3000年~同400年で、縄文時代の草創期から晩期まで約1万年間を網羅しているのが特長。狩猟や採集を基盤とし、定住生活を実現した実態を示す物証として世界的に認められた。

 イコモスは勧告で「定住社会の発展段階や環境変化への適応を示している」と記した。国や自治体の保存管理が適切にされ、地域住民が遺跡の普及活動などに参加する点も評価した。

 萩生田光一文部科学相は「高い評価を受けたことは喜ばしく、地元関係者の努力に敬意を表す」との談話を出した。青森県の三村申吾知事は「登録実現に向け、大きく前進した。長い道のりだった」と語った。

 縄文遺跡群は2013年から5年連続で国内の推薦候補から漏れた。国の文化審議会が18年、候補に選んだもののユネスコが20年登録分から推薦枠を1国1件に制限。自然遺産登録を目指す「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」(鹿児島、沖縄両県)と競合した結果、縄文遺跡群は見送られた。

 翌19年、政府は21年登録分として縄文遺跡群の推薦を決定した。20年9月、イコモスの調査員が現地入りし、遺跡の保存状態や17遺跡を範囲とした根拠、住民との関わりなどを調べた。

 昨年の世界遺産委は新型コロナウイルス感染拡大の影響で延期された。今年7月は20、21年分の候補を合わせて審査する。20年分は奄美・沖縄などが自然遺産として登録される見込み。

 国内の世界遺産は現在、自然遺産を含め23件。東北ではこれまで白神山地(青森、秋田両県)、平泉(岩手県)、明治日本の産業革命遺産(同)が登録された。

[北海道・北東北の縄文遺跡群]北海道、青森、岩手、秋田の4道県13市町にある17遺跡で構成。農耕に移行せず狩猟や採集、漁労を基盤としたまま定住した縄文時代の人類の生活実態を示す貴重な物証とされる。道路、大型建物などが計画的に配置された大規模集落跡の三内丸山遺跡(青森市)が有名。このほか、世界的にも古いとされる土器片が出土した大平山元遺跡(青森県外ケ浜町)や、火を使った祭祀(さいし)が推定できる獣の骨や植物の種が見つかった御所野遺跡(岩手県一戸町)などがある。

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