トヨタ、宮城と岩手の2工場停止 「ヤリス」「ヤリスクロス」納期にも影響

 トヨタ自動車は7日、昨年から続く世界的な半導体不足を理由とした初の生産調整に踏み切った。生産子会社のトヨタ自動車東日本(宮城県大衡村)の2工場3ラインを対象に、3~8日間停止。小型車「ヤリス」、スポーツタイプ多目的車(SUV)「ヤリスクロス」「C-HR」の供給が滞り、販売店は納期の長期化に直面する。当面の影響は限定的とみられるが、半導体不足の動向によっては先行きに不透明感も漂う。

ヤリスクロスの生産ライン=2020年8月、宮城県大衡村のトヨタ自動車東日本宮城大衡工場

 稼働を停止する工場と日程、対象車種は表の通りで、影響台数は約2万台に及ぶ。日本自動車販売協会連合会によると、ヤリスクロスを含む「ヤリス」の5月の販売台数は1万6660台。9カ月連続で車名別国内新車販売台数の首位を走るが、生産調整で急ブレーキが掛かる。

 ネッツトヨタ仙台(仙台市宮城野区)で売り上げの約3割を占めるヤリス、ヤリスクロスは「大黒柱」とも言える存在だ。生産調整の影響で客への納車が1カ月~1カ月半程度遅れ、ヤリスは9月下旬ごろ、ヤリスクロスは11月中旬から同下旬ごろになるという。

 三浦勇治社長は「現在所有する車の車検が間もなく切れるのを機に乗り換えるお客さまには、違う車種をお薦めせざるを得ない」と頭を抱える。既に契約済みで、納車までに車検期限が切れる人には、車検更新費用の一部負担なども検討しているという。

 トヨタは、車種選定の理由について「必要となる半導体部品が不足するためヤリスやヤリスクロス、C-HRを対象車種とした」と説明。具体的な部品が何かは公表せず、さらなる生産調整の可能性について「実施する場合は随時公表する」と述べるにとどまる。

 宮城県内サプライヤーの支援に取り組むみやぎ産業振興機構の今野祐輝産業経営支援部長は「トヨタ東日本が初めて開発から手掛け、部品の現地調達割合が高い現行『シエンタ』が対象に入らなかったのはよかった」と胸をなで下ろす。

 ただ、6月の売り上げが半分以下になると見込む県北のある企業は「これまで生産調整せずに済んだが、なぜ今なのか。東北の工場だけが停止する理由も分からない」と不安を募らせる。

 トヨタ東日本は稼働停止中、生産ラインの清掃、現場での作業効率化「カイゼン」に取り組む。同社広報担当者は「お客さまの手元に一日も早く車を届けたいが、お待ちいただくことになる。ご迷惑をお掛けすることをおわび申し上げる」と話す。

関連タグ

河北新報のメルマガ登録はこちら

企画特集

先頭に戻る