事務方トップ不在解消なるか 山形知事、前副知事再任に意欲

副知事席が空席のまま議事が進んだ山形県議会4月臨時会。不在は解消していない=4月8日、県議会議場

 副知事の不在が3カ月続く山形県で15日、県議会6月定例会が開会する。吉村美栄子知事は前副知事を再任する人事案の再提出に意欲を示すものの、2月定例会で反対した最大会派・自民党も譲る気配はない。吉村知事が議会の同意を得て、事務方トップ不在の異常事態を打開できるかが焦点となる。

 県によると、副知事の人事案は冒頭提案に含まれない。人事案を提出できるのは議会運営委員会と本会議がある日に限られ、6月定例会会期中に出す場合は自民側の意向を踏まえつつ提出時期を探るとみられる。

 吉村知事は2009年の初当選以来、1期ごとに副知事を交代させてきた。4選を果たした1月の知事選直後の2月定例会には、若松正俊前副知事を再任する人事案を提出。知事選で対立候補を擁立した自民党は、選挙で複数の県内首長が県による市町村との連携不足を指摘したため、再任に同意しなかった。若松氏の任期切れで副知事は3月11日から不在だ。

 自民側は「県庁には他にも豊富な人材がいる」と人選見直しを求めている。だが、吉村知事は5月26日の定例記者会見で「若松氏との考えは変わらない」と発言。「(同意を得るのは)難しそうという雰囲気は感じているが、今の時点で無理ということはないと思う。6月議会に向けて説明を申し上げたい」と述べた。

 一方、自民党県連の森谷仙一郎幹事長は13日にあった県連大会後、取材に「うちの会派内では誰も聞いていない」と執行部側の働き掛けを明確に否定した。「議会で一度否決したものを再び出すのはあり得ない」と反対する姿勢を崩さない。

宮城、秋田も過去に副知事人事否決

 山形県で続く副知事の不在。過去20年の間には宮城、秋田両県でも副知事席が数カ月にわたって空席となったことがある。ただ、ともに副知事2人制を採っており、1人もいない事態が続くのは異例のようだ。

 宮城県では2003年、就任10年目だった当時の浅野史郎知事が「腹心」とされる県福祉事業団の理事長を副知事に起用する人事案を2月定例会へ提出。最大会派の自民党に加え、共産党も反対し否決されたが、同年6月定例会にも同じ人事案を提出し、再び否決に。9月定例会に別の人物を提出し、落着した。

 秋田県でも07年、就任10年目だった当時の寺田典城知事が知事公室長を2人目の副知事へ登用する人事案を提出した。議会の過半数を占める自民党が副知事2人制への反対などから6月と12月の両定例会で否決。知事は翌年4月臨時会で別の人物を提案せざるを得なかった。

 山形県は08年まで2人体制を敷いていたものの、09年に副知事1人制を公約に初当選した吉村美栄子知事が就任後、1人制を採用している。

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