水耕栽培の工場無人化へ 旧小学校体育館で東松島ファーム

 東日本大震災で被災した宮城県東松島市の旧浜市小で葉物野菜を水耕栽培する「東松島ファーム」は、栽培工程を無人化した工場を旧体育館に新設する。植物工場の無人化は全国でも珍しく、生産規模を拡大して国内外への技術展開を目指す。来年2月に完成予定。

 館内に床面積約450平方メートルの栽培施設を整備し、高さ6メートル、8段の栽培棚を設置。専用の容器を並べ、発光ダイオード(LED)を光源にレタスやベビーリーフを水耕栽培する。温湿度の設定や栽培棚の洗浄といった環境管理やメンテナンスを自動化し、無人化を図る。年間約150トンの生産を見込む。

 栽培棚への苗の定植と収穫は手作業で、旧校舎の教室に専用スペースを置く。工場との間をベルトコンベヤーでつなぎ、野菜が育つ容器を自動で運ぶ。総事業費は約4億5000万円で、3分の1は国の補助金を充てる。

 屋内での水耕栽培は異物混入や雑菌付着のリスクが小さい上、天候に左右されず周年で収穫できる。工場の省人化による労働力不足の解消も狙う。

 東松島ファームは2016年4月に設立。旧校舎を活用し、従業員9人で年間約10トンの葉物野菜を水耕栽培している。

 27日に現地で起工式があり、出席者24人が神事で工事の安全を祈った。阿部基教(もとのり)代表取締役(33)は「自然災害や人手に左右されずに野菜を栽培できる先端技術のショールームとして世界に発信したい」と話す。

起工式で工事の無事を祈る関係者
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