モネが使った「組手什」人気 登米の学童机にも注目

村井知事(左)に組手什の本棚を寄贈した佐々木組合長(右)=27日、県庁

 NHK連続テレビ小説「おかえりモネ」の舞台となっている宮城県登米市で、林業が脚光を浴びている。ドラマに登場した木製の組み立て家具キット「組手什(くでじゅう)」の注文が殺到。ナラ材を天板に用いた学童机は、森林資源を活用する手だてとして関心を集める。新たな林業の担い手も名乗りを上げており、市内の関係者は手応えを感じている。

 組手什はスギの間伐材を使用。1本当たり長さ2メートル、幅39ミリ、厚さ15ミリで、一定間隔で溝がある。好きな長さに切り、溝同士をはめて組み立てる。くぎや接着剤が要らず、ドラマでは「魔法の材料」として、椅子や盆棚などになった。

 災害時にも役立つ。東日本大震災の避難所でプライバシーを確保する間仕切りとなり、被災地の図書館では本棚になった。

 愛知県の普及団体などが復興支援に入ったのが縁で、登米市の登米(とよま)町森林組合が組手什の生産を開始。個人向けには1本750円(税抜き)で売り出し、年間販売数は約200本だった。

 5月下旬にドラマで紹介されると、問い合わせが相次ぎ、1000本以上が売れた。組合関係者は「8月末まで品切れ状態」とうれしい悲鳴を上げる。

 気仙沼市出身でヒロインの永浦百音(ももね)は高校卒業後、登米市の「米麻(よねま)町森林組合」に就職する設定。広葉樹を生かそうと、ナラ材で学童机を作る事業を発案する。

 実際に登米市の全小中学校では、地元のコナラで製作した天板の机を約6200台導入し、子どもたちの学びを支えている。東京電力福島第1原発事故の影響で、シイタケの原木となるナラ材が使えなくなった窮状を救う一助にもなった。

 市内には森林組合や原木市場、製材所、木工加工場、木工品販売店が集まる。登米町森林組合の佐々木照雄組合長(72)は「山で木を切り出し、さまざまな物に活用されていくのが林業の魅力」と話す。同組合での就業を望む若者らの動きもあり、竹中雅治参事(54)は「ドラマをきっかけに林業を志す人が増えてくれれば」と期待を寄せる。

 同組合は27日、県庁を訪れ、組手什の本棚と学童机を県に寄贈した。村井嘉浩知事は「組手什は香りもよく素晴らしい。(県産木材を天板に用いた)学童机は他の自治体でも取り入れればいい」と述べた。

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