(28)夕立の前のしづかさかと思ふ/杉田 菜穂(1980年~)
夏の暑さは、大きな積乱雲を生み出し、夕方の同じような時間に雨を降らせます。いつもならそろそろ降るはずですが、まだ雨は降ってきていません。嵐の前の静けさというと慣用句的ですが、夕立の前の静かさは具体的な情景を想像できます。肌にまとわりつく湿気や、日の傾いた街の様子、なんとなく言葉の少なくなる人々。こ…
関連リンク
- ・(27)黙つて聞く生徒の恋やかき氷/永瀬 十悟(1953年~)
- ・(26)雲の峰道三方にわかれけり/島谷 征良(1949年~)
- ・(25)歓声の聞こえる夜の冷蔵庫/上森 敦代(1958年~)
- ・(24)まだ逃げるつもりの土用鰻かな/伊藤 伊那男(1949年~)
- ・(23)まさかと思ふ老人の泳ぎ出す/能村 登四郎(1911~2001年)