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(23)まさかと思ふ老人の泳ぎ出す/能村 登四郎(1911~2001年)

 外見は紛れもない老人が、突然引き締まった筋肉で泳ぎはじめたら驚かされる。この句は作者が喜寿を過ぎた頃の作。泳ぎが得意だったようで、自分自身のことを詠んだのだろう。悠然と泳ぐ姿は老いを楽しんでいるようだ。齢(とし)を重ねるごとに自在な俳句を展開した登四郎には<匂ひ艶よき柚子姫と混浴す>も。老艶とも言…

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 「秀句の泉」は、俳句の魅力を伝えます。執筆は俳人の永瀬十悟さん(福島県須賀川市)、浅川芳直さん(宮城県名取市)、及川真梨子さん(岩手県奥州市)の3人。古典的な名句から現代俳句まで幅広く取り上げ、句の鑑賞や季語について解説します。

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